カテゴリ:戦争・紛争・環境破壊
プーチン首相、CNNのインタビューに答える~その4 CNNのクリップ CNN: あなたのご指摘に関するアメリカとロシアの国際的協力に関してですが、例えば、今極めて問題視されているイランの核濃縮プログラム。 今現在、国連はアメリカ主導でイランへの警告を行なっていますが、もしロシアと西側諸国の外交関係がこじれた場合、ロシアはイランをめぐる国連への協力もやめるかもしれないということなのでしょうか? プーチン: 私が指摘した問題、あるいはあなたが今指摘された問題も含めて、ロシアは様々な問題に対して西側諸国のために極めて首尾一貫して誠実な協力を提供してきました。 何も誰かから頼まれたり、西側諸国から良く思われたいという見栄から協力してきたわけではありません。 我々ロシアという国の利害と関わりがあるからであり、また西側諸国やアメリカの利害と我々の利害が合致しているからなのです。 もしこうした問題で誰もロシアとは話したくない、ロシアの協力は要らないと言うのなら、どうぞご勝手に、自分たちで解決したらいい。 CNN: では、燃料供給に関してはどうでしょう?特にヨーロッパ諸国は明らかにロシアからの石油や天然ガスに益々依存しています。もしも外交上の緊張感が高まれば、天然ガスや石油供給を盾にヨーロッパ諸国に圧力をかけることも考えられますか? プーチン: その様な方法で圧力を書けたことはこれまで一度もない。 ロシア発のパイプラインができたのは1960年代で、ちょうど冷戦の真っ只中だった。 その60年代から現在まで、政治関係がどうであろうと、契約に基づいて安定した信頼できる燃料供給を続けてきました。 我々は経済的関係に政治を持ち込むようなことはこれまでしていません。 しかし驚いたことに、最近アメリカの政府関係者がヨーロッパ諸国主要都市に赴き、ロシアから天然ガス等、製品や原材料を買わないようにと説得して回っているというのです。 経済の場に政治を持ち込むという、実に驚くべき行動です。 極めて悪質な行為だ。 ヨーロッパ諸国がロシアの燃料に頼っていることは現実ですが、我々ロシアだって天然ガスを購入してくれる顧客に頼っているわけなのです。 持ちつ持たれつということです。 その相互関係が安定を保証してくれるのです。 既にここで経済問題の話題になったので、アメリカの工場に対しある経済措置が取られた件についてここでお話しましょう。 断って言いますが、これはアブハジアや南オセチア問題とは全く無関係です。 純粋な経済問題なのです。 これまでアメリカを含む諸外国からの輸入品に対する議論がありました。殊に、農産物に関しての議論は極めて重要なものです。 7月と8月にロシアの衛生局が、ロシアに鶏肉を輸出しているアメリカの工場の検査をいたしました。これはサンプル検査で無作為に抽出された工場が対象となりました。 検査の結果、以前ロシアの専門家が2007年に指摘した問題項目が、19の工場で放置されたまま改善されていないことが分かったのです。 これらの工場は、近い将来ロシアへの輸出を禁止されることになります。 その他、29の工場は、専門家が不適合と見なした項目を改善するよう警告を受けました。我々は工場側が速やかに状況を改善し、ロシアの市場に製品を送り続けることができることを祈ってます。 以上の情報はたった今しがた農業大臣から報告されたことです。 紛争問題、政治的問題、経済、鶏肉、これらがごちゃ混ぜにされるのは非常に不愉快極まりない。すべてはそれぞれ固有な問題であって、互いに無関係なのですから。 CNN: プーチン首相、しかしこの措置はアメリカでは経済制裁と同様に取られる様に思われます。とりわけ不手際があったと判明した19の工場に対する措置は経済制裁と映るのではないでしょうか? プーチン: 私は農学の専門家ではありませんから。 今朝、農務省大臣が次のような報告書を持ってきたのです。 もう説明しましたが、今一度繰返します。 この7月と8月に、ロシアに鶏肉を輸出しているアメリカの工場のサンプル検査をしたのです。 我々の専門家たちが2007年に既に指摘していた問題点が全く無視され、改善策が取られていなかったことが分かったのです。 従って農業大臣がこれらの工場を認定工場リストから外したのです。 そのほか29の工場でも何らかの問題が見つかりました。 検査結果はきちんと記録されています。そこには、今後も輸出を続けるために何を改善すべきかという指示も書かれています。 速やかに工場側で対処してくれることを願っています。 問題は鶏肉の中に、ロシアの基準値以上のある化学物質が見つかったということなのです。 基準以上の抗生物質や、恐らく砒素のようなものが含まれているのです。 私は専門家でないので詳しくは分かりません。 これは政治とは全く無関係です。経済措置では断じてありません。このような措置は過去にもあったことだ。そして永久措置ではないのです。 要はこの問題を解決すべく互いに協力し合いましょうということなのです。 現に、連絡があった時に農業大臣は「正直言ってどうしたらよいか分かりません。この措置を取れば何かしら経済政策のように映ってしまうが、やむを得ません。もちろん保留にしてもいいですが。」と私に話しました。 問題の化学物質は砒素だったと思います。ロシアにはロシアの基準値があります。我が国に輸出したいのならこちらの基準を満たさなければなりません。工場側でも承知のはずです。2007年の段階で同じことを通達していますから。 CNN: アメリカ側はこの措置に対して不満でしょう。 プーチン: 我々も残念に思うが、仕方ないことです。 工場側はロシアの農業省と強調してもらいたい。 こういったことは過去にも起こっていますから。 一度ある工場から輸入を禁止して、しばらくあとに再開しました。アメリカの工場に限らず、ブラジルの工場も同様の措置が取られたことがあります。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
September 2, 2008 01:33:22 PM
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