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Manachan's World-東京下町日記

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2006年01月29日
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カテゴリ:オーストラリア
今日は、日曜日。ようやく仕事から解放され、ケアンズでの楽しい一日を過ごしました。相変わらずの雨空で、アウトドアができなかったことは残念ですが、それでも、ほとんどの時間を、娘(赤ちゃん)と一緒に過ごすことができてよかったです。

私は、明日にも日本へ出発するので、オーストラリア最後の夜を、TVをつけっ放しにしてダラダラ過ごしていましたが、最後の最後で、あまり見たくないものを見てしまいました。それが、

グリーンピースの反捕鯨CM

です。これは、環境保護団体のグリーンピースによるCM(コマーシャル)で、オーストラリアでは、毎年のように放送されています。その筋書きは、洋上で捕鯨している大型船に、グリーンピースのメンバーが救命ボートで勇敢に立ち向かい、「鯨を殺すな!」(Stop killing whales!)と抗議するもので、血まみれになった鯨の、生々しい映像が出てきて、なかなかグロい!そして、CMの最後で、「20ドルの募金」を呼びかけるのも忘れていません。

私の知る限り、この反捕鯨CMは、オーストラリアに移住した日本人の間では、あまり評判が良くないようです。オーストラリアが大好きで、かつ環境意識の高い人の間でもそうです。私自身も、これを見て、「素晴らしいっ、今すぐ募金するぞ!」という気にならないばかりか、逆に「なんだかなあ・・・」という違和感を禁じ得ません。

その理由は何なのか、少し考えてみました。

まず、「捕鯨反対」が「環境保護」と直結するという発想自体が、あまりにも西洋文化特有(より厳密にいえば、現代の西洋文化圏の大部分の国に代表される、クジラを愛護・愛玩の対象としてとらえる文化)のものであるがゆえに、それ以外の文化圏で育った人間には、直感的に理解しにくいのでしょうね。

たとえばの話、私の友人に、こんな男がいます。彼は日本人で、ガールフレンドは米国人(白人)です。で、彼の口癖は、「温かいお風呂につかる時、味噌汁をいただく時、つくづく日本人に生まれて良かったと思う」なんですが、その感覚が、米国人の彼女にはどうしても理解してもらえないと、私にこぼしたことがあります。

それは、「お風呂と味噌汁」が、あまりにも日本文化特有のアイテムであるがゆえに、それ以外の文化圏で育った人間には、なぜそれが幸福感に直結するのかが理解しにくいのでしょう。そして、グリーンピースの捕鯨反対CMが、私を含めて、日本文化で育った人間に理解されにくいのも、それと同じ理屈なのだと思います。

仮にグリーンピースの掲げるスローガンが、「絶滅に瀕した生物種を守ろう」であったならば、それは日本人にも中国人にも、インド人にも、容易に理解できるものです。或いは、「気候変動を防ごう」、「熱帯雨林を守ろう」、「リサイクルを推進しよう」でもいい。そういうメッセージなら、出身文化圏に関わらず、人類的な賛同を得られやすい。

でも、あのCMからは、そういう人類普遍のメッセージが伝わってこないのです。そもそも、「なぜクジラなの?」・・・ワシントン条約に定められた動植物のなかには、ゴリラやチンパンジーも、アフリカゾウもあるわけで、仮にクジラを、「人間のエゴによって、絶滅寸前に追い込まれた動物」のシンボルとして採り上げようにも、その選定は恣意的だと言わざるを得ない。いや恣意が入ってもいいけど、でも地球環境問題は人類が共有する問題で、グリーンピースはその目的のために世界レベルで活動する公益団体のはずなのに、なぜ、「クジラを殺してはいけない」という、西洋文化圏の暗黙の了解に頼った宣伝をするのでしょう?彼らがそうしなければならない、合理的な理由があるのでしょうか?

もしあるとすれば・・・扇動、でしょうかねえ?

扇動とは、「議論」、「説得」、「合理的な説明」とは、似ても似つかないものです。扇動者は、本来、丁寧に議論すべき複雑な問題を極限まで、議論不可能なレベルまで単純化します。そして論理ではなく情緒に訴え、しかも他者を敵に仕立て上げることによって、人間集団を特定目的に動員します。

私は、グリーンピースのCMに、扇動の匂いを感じてしまいます。あの映像を見ると、もはや、「一緒に考えましょう」とか、「私たちの生活を見直しましょう」みたいな問いかけのレベルではなくなって、捕鯨する者(あるいは国)が完全に悪者になっています。客観的データも何もなし。そして、血まみれになったクジラが、人間の情緒を刺激します。

扇動は、確かに即効性があります。手っ取り早く、一人20ドルの募金を集めようとするならば、「地球環境について共に考えましょう」よりも、「今すぐ、殺されかかっているクジラを救おう」の方が効果あるでしょうし、マスコミへの露出度も高くなるんでしょうね。近年は、グリーンピースに代表される環境保護団体も、巨大グローバルビジネスと化してるから、とにかく一にも二にも規模拡張、予算確保・・・という、お家の事情もあるのでしょう。

とはいえ、何年も続けて、性懲りもなく同じCMを延々と流しているのを見ると、私などは、公益団体としての「誠実さ」を疑ってしまうのですよ。たぶん良いこともたくさんやってるんだろうけど、私は募金する気にはなりません。

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オーストラリアに住んでよく分かったけど、西洋人は、時々こういうことをやるんですね。彼らは概して、「フェア(公明正大)な議論による問題解決」が得意です。問題が起こった時、議論を通じて、お互いが歩み寄れる点を見つけて、解決策を導くというスタイルを確立して、人類に巨大な貢献をしたのも、西洋人です。でも彼らは、それを十分分かっていながら、時には、議論を敢えて拒否して、一方的に喧嘩を吹っかけるようなスタイルのコミュニケーションをとることがある。グリーンピースの例のCMも、その系譜の一つなのでしょう。

そんな攻撃をされた時、どうするか?彼らの挑発に乗ってもつまらない。それよりも、一言。「あなたのその態度は、フェアじゃない。オーストラリアらしくないぞ!」と。





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最終更新日  2006年01月29日 22時20分26秒
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