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カテゴリ:柏・東葛
千葉県松戸市・・・人口48万を超える東葛地区最大の都市(千葉県でも3位)。東京に隣接し、江戸川と下総台地の風光に恵まれた、水と緑豊かな土地。マツモトキヨシとマブチモーターズの本社も立地する、産業都市でもあります。
常磐線をはじめ、武蔵野線、新京成線、北総線、東武野田線・・・鉄道も縦横無尽に走り、駅の数は20を超えています。市のほぼ全域が都市化され、高台には閑静な住宅地が広がる・・・。 この恵まれた条件を街づくりに有効に活かせば、素晴らしい都市になるはずです。が、残念ながら、ここ数年、いや20年余りの間、松戸からはあまり、良い噂が聞こえて聞こえてきません。この都市が将来に向けて、前向きな変化をしているとも思えません。常磐沿線、かつ東葛地域の地位向上・イメージアップのために、松戸が積極的な役割を果たしているとも思えません。 松戸にお住まいの方々には耳が痛い話でしょうが、あえて言います。ここ20数年の松戸の動きは、東京近郊のベッドタウンに必要な住宅地政策と商業地政策、そのいずれにも失敗し、近隣市に負け続けた歴史ではないでしょうか?例をあげると、 【住宅地政策の失敗】 ・東松戸駅区画整理事業の失敗 ・新松戸「赤い鳥居」問題 【商業地政策の失敗】 ・(1980年代~)松戸駅前商業が、柏との競争に敗れ、商圏を奪われた ・(1991年~)北総線の全線開通で、市内に新駅が4つもできたのに、そのどれ一つとしてテイクオフさせられず、快速停車駅と大型SCを新鎌ヶ谷に奪われた ・(1990年中盤~)松戸、新松戸をはじめとする、市内各駅での景観悪化と魅力の低下 ・(2005年~)隣接する南柏駅周辺の再開発に、有効な対策を打てず、松戸北部の新松戸・北小金の購買力が流出した ・(2005年~)都内寄りの亀有、綾瀬に大規模商業施設ができたのに、有効な対策を打てず、松戸駅の再開発ひとつ進まない こう書いていくと、「松戸にとって、チャンスはいくらでもあったのに、すべて活かせず、繁栄の果実をライバル市に全部取られた」ことが、よく分かります。東京近郊の住宅地・商業地としての魅力アップ、ファミリーを中心とする人口流入と税収増、それを原資にしたさらなる都市投資という、経営学的視点を全く欠いた市政が行われ続けた結果が、今日の松戸の姿に集約されていると思います。 松戸が、過去の「負の歴史」を総括して、プラスの方向に転換するかといえば、そうとも思えない。「商業地競争で、なぜ柏に負けたのか?」という一点をとっても、松戸から聞こえてくる声は、言い訳めいたものが多い。たとえば、 『松戸は、前面が江戸川、背後に丘が迫っていて、後背地がない。一方、柏は平坦な地形だから、発展できたのだ』 という言説がありますが、私に言わせれば、清流と丘陵に挟まれた松戸駅周辺の地形は、魅力的な街を造るのに、申し分ない条件を持っていると思います。たとえば、松戸の東口から聖徳短大を通って、戸定邸に至る丘陵地帯を、南欧風の街に仕上げて、江戸川の風光を見下ろすようなプロムナードにできたらどうでしょう?柏が逆立ちしても真似できない街になるはずです。でも、やらない。やろうとしない。 また、「柏や流山は、つくばエクスプレスが通るから、発展できるのだ」という声もありますが、それを言うなら、松戸を東西に縦断する北総鉄道だって、2010年ごろには成田空港まで延伸するのです。年間3000万人もが利用する、世界有数の国際空港へ、東京から36分でつなぐ新鉄道が開通する!松戸にとって、千載一遇のチャンスではないですか? 本来なら、武蔵野線と連絡する東松戸駅の周辺を本腰入れて開発して、ここを松戸市の新都市核として、整備すべきでした(流山市は、流山おおたかの森駅周辺で、それをやってますよね)。ところが蓋を開けてみれば、区画整理事業で無残な失敗。都市核どころではなく、北総沿線「勝ち組」の座を、みすみす新鎌ヶ谷と、千葉ニュータウン中央に奪われてしまったのです。 首都圏の地図をみれば一目瞭然ですが、東京までの時間距離や、連絡する鉄道の重要度から言っても、東松戸の立地は、新鎌ヶ谷とか、流山おおたかの森、柏の葉キャンパスよりも、はるかに恵まれているはずです。なぜ、それを活かせなかったのか? また、他沿線の類似都市との比較でも、松戸の元気のなさは、群を抜きます。たとえば、同じ都県境に位置する川崎、川口、市川・・・どこを見ても、近年は商業施設や超高層マンションの建設で活気づいていますが、松戸は見る影もない。松戸駅前の再開発の話ひとつ聞こえてこないのが現状です。 松戸は変わらない、変われない・・・首都圏のサラリーマンから、そう見られることにより、この地域はどんどん安売り、投売りされていきます。松戸駅の徒歩圏と比べて、東京から10km以上も遠い柏駅徒歩圏の方が、住宅地の価格が高いのはなぜなのか?松戸駅から頑張れば歩けるような立地で、新築で1700万円みたいな、茨城県並みの価格のマンションが売られているのはなぜなのか? 松戸は、このまま手をこまねいていて良いのか?同じ東葛でも、柏と流山は、すでに21世紀を見据えた街づくりをはじめているのに、ひとり松戸だけが、20世紀のけだるい眠りを続けていて良いのか?この「真綿で首を絞められるような」状態を続けていて、若者がこの街に誇りと、将来への希望を持てるのか? 松戸は、変わらなければならない! 松戸が、今すぐ、自分を変えようと努力すれば、まだ間に合う!! 松戸が本気になれば、柏とともに、再び東葛を前向きにリードできる!!! 私があえて苦言を申し上げるのは、松戸が変われると信じるからです。もし、松戸に絶望しているのなら、わざわざ時間をかけて、この文章を書いたりはしません。 松戸の覚醒を望む。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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