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カテゴリ:東京下町の暮らし
我が家の食卓に欠かせない、新鮮な野菜と果物。その多くは、近所の「うじがわ青果」(江東区東陽1-17、電話番号不明)から調達しています。
この八百屋さん、ものすごく繁盛しています。売り場は、いつも買い物客であふれ、怖いくらい、活気に満ちています。ダンボールを持って大量仕入れする強者の姿のちらほら、近所に住むインド人は、この店を「2 to 4 shop」と呼びます。午後2時に商品を売り始めて、4時にはほとんど売り切れてしまうからです。実にいい商売です。 繁盛の理由は、何といっても、安くて新鮮な野菜・果物を取り扱っていること。生産地表示を見る限り、9割以上が国産なのに、値段はとてもリーズナブル。近隣の「イトーヨーカドー木場店」で同じ商品を買うのと比べれば、費用が半分で済んでしまうかと思うほどです。 あともう一つ、繁盛の秘密があります。昨今、江東区界隈で目覚しい発展を見せる、アジア系外国人コミュニティのパワー(購買力)を、うまく取り込んでいることです。 私の知る限り、江東区内でこの店ほど、日常、いろんな外国語が飛び交っている八百屋は他にないでしょう。耳を澄ませば日本語のほか、中国語、韓国語、英語、ヒンディー語、オリヤー語(インド東部オリッサ州の公用語)などが、聞こえてきます。 特に、中国語を話す客が多い。その理由の一つは、「うじがわ青果」のすぐそばに、トラックで中国食材を売りに来る業者がいるからです。豆腐皮、黄泥螺、ピータンなど、スーパーではなかなか手に入らない食材を求めて、近在の中国人が皆、買い物に来ます。そのついでに新鮮な野菜・果物を、「うじがわ青果」で買って行くのです。 「うじがわ青果」も、中国人特需(?)を見逃しませんでした。驚くことに、ほとんど全ての日本人店員が中国語(北京語)で値段を言ってくれます。私はなぜか、お店の人に中国人だと思われているようで、買い物したら、「お勘定がパー・パイ・パー(880円)で、お釣りがイー・パイ・アル(120円)ね♪」と言われたりします。その他、ネイティブ中国人店員も雇っています。 あと、この店で働く、日本人女性店員の一人が凄い!中国語、韓国語、英語など、どんな言葉でも、客に合わせて対応してくれるのです。うちの奥さんは英語が一番得意なのですが、そのことを知った女店員さんが、英語でちゃんと対応してくれています。「まるでバンコクの観光業者みたい!」と、その言語能力に舌を巻いていました。 その他、お店では韓国語もよく聞こえてきます。お店に隣接する塩浜・枝川地区は、昔からコリアンが多く暮らし、朝鮮学校や韓国会館などがある土地柄。彼らも、汐浜運河を越えて、「うじがわ青果」に野菜果物を買いにきているようです。 東西線木場駅から歩いて7分、閑静な住宅街にある下町の小さな八百屋。彼らの商売繁盛には、長期不況や人口減少に勝つ秘訣が込められているように思えてなりません。「日経ビジネス」あどに取り上げられてもいいと思います。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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