|
カテゴリ:大連うまいもの探検隊
来年度予算編成の季節になりました。
弊社は、ヨーロッパ企業なので、世界各国の支社・販社から上がってくる財務報告は、原則、ユーロ建てで表示されます。 つい先日も、アジア太平洋地域各国に向けた、予算編成ガイドラインのメールが出されました。日本は、もちろんアジア太平洋を構成する一国です。 そこには、参考資料として、アジア太平洋にある計13の国・地域の経済基本データが掲載されていました。2005~2015年までの、各国の実質経済成長率、インフレ率、対ユーロ為替レート等とともに、「一人当たりのGNP」が、ユーロ建てで表示されていました。 ※参考までに、経済データの出元は、Global Insightのようです。 普段、米ドル表示ばっかり見させられている私にとって、ユーロ表示のデータは、とても新鮮に見えました。そして、面白いことを発見しました。 ・アジア太平洋地域で、最も高所得の部類に入る国は3つ(オーストラリア、日本、シンガポール)で、4位以下(香港、韓国、台湾、ニュージーランド等)に大差をつけている。 ・その高所得3カ国が、「一人平均3万ユーロ到達」を目指して、抜きつ抜かれつの競争を繰り広げている。 高所得グループ3ヶ国の、ここ数年の推移を見てみると、 2005年 日本1位、オーストラリア2位、シンガポール3位 2006年 オーストラリア1位、日本2位、シンガポール3位 2007年 オーストラリア1位、シンガポール2位、日本3位 2008年 オーストラリア1位、シンガポール2位、日本3位 2009年 オーストラリア1位、日本2位、シンガポール3位 日本経済の長期低落傾向が続くなか、注目すべきは、世界同時不況に落ち込んだ2009年に、日本がシンガポールを抜き返して、2位に浮上していることです。これは取りも直さず、為替レートが円高に振れたからに他なりません。 さらに、今後2015年まで、日本の一人当たりGNPは、オーストラリアこそ下回るものの、シンガポールを一貫して上回ると、予想されています。つまり、アジアにオーストラリアを含めない限り、「アジア一、裕福な国」の座を、日本が守り続けることになります(とはいえ、先進国中ではおそらく中位~下位レベル。予測値とはいえ、いまいち元気のない数字です)。 また、一人平均3万ユーロ(現時点の米ドル換算で4万ドル近辺)のラインを超える年に関しては、 オーストラリアは、2007年にすでに達成 日本は、2010年に達成すると予想 シンガポールは、2012年に達成すると予想 その他の国・地域で、2015年までに「一人平均3万ユーロ」を達成すると見られるところは一つもありません。日本のライバルとみられる韓国は、2015年時点で平均2万1千ユーロ、台湾は1万9千ユーロ。同一時点での日本の数字(3万4千ユーロ)の6割程度に留まると予想されています。 一人あたりの数字では見劣りするものの、国民経済レベルでみると、今後も中国、インドの躍進(高い経済成長率)が予想されています。特に中国の存在感は大きく、アジア太平洋経済を牽引する傾向が、誰の目にも明らかになってくるのでしょう。 ところで、アジア太平洋地域で、数字の上では一番裕福な国となったオーストラリア。さぞかし、リッチな暮らしぶりと思いきや、 ま、本当のところは、いろいろあるんですよねえ(経験者は語る)。時々、「こりゃありえないだろ」って思う物価の高さを含めて・・・。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
|