拳骨和尚の辻説法

　

　みなさん　！　ごきげんいかがですか。


　今まで作った事の無い製品を作るのです。


　第一作れる人がほとんどいないのです。


　その時伝統工芸士であった小竹貞山先生の作品を見る機会がありました。



　



　【　聖観世音菩薩　】　です。


　なんと　！　この観音さまは　【　宝石　】　で出来ているのです。


　この菩薩像を見たときに　！


　まあ　！　なんと　・　・　・


　と言葉を失いました。


　値段を聞いてひっくり返りました　！


　でも　！　何時の日にか　！　きっと　！


　と思ったのです。


　この人なら必ず作くれる　！　はずだ。


　最初にデザインした物は　【　水輪　・　球　】　の穴の中に


　【　舎利　・　遺骨　】　を入れて外から見えるようにしたものです。


　しかし　！　いくら娘さんのとは言え


　直接遺骨が見えるのは考え物だと考え直して作ったのが　！


　これです　！



　



　上蓮華の台の中に金色に光る物が　【　舎利容器　】　です。



　　　


　
　１８金で作りました。


　物事何でもそうですが　！


　特別注文で一個だけ作るのは　・　・　・


　採算度外視　！　でした。


　四十日後に出来上がりました。


　甲府まで引き取りに行きました。


　大阪で一番大きな石材店　【　Ｎ　・　Ｓ　】　の営業部長は早速


　お父さんの所へ持参しました。


　この水晶五輪塔の　【　舎利供養塔　】　を見た瞬間に


　大粒の涙を零されたそうです。


　そしてこう言われたそうです。


　こんな綺麗なお墓に娘が　・　・　・　と


　その報告を聞いた時　！


　拳骨和尚は本当に作ってよかった　！　と思ったのです。


　この話をお師匠の法雲寺の石川先生にいたしました。


　先生もほろっと　！　されました。


　私のお寺の墓地のお墓もこれにするか　！


　おい　！　吉野


　寺の敷地に十階建てのビルを建てる。


　その中の納骨式のお墓にしよう　！


　と言われたのですがビルを建てる前に亡くなってしまいました。


　この水晶五輪塔は石川先生と拳骨和尚の合作です。


　いつも見て楽しんでいます。


　この写真の五輪塔には　！


　拳骨和尚のお父さんとお姉さんの遺骨が入っています。


　それと拳骨和尚が四回目の手術の時摘出した　【　鼻の骨　】　の一部を


　一緒に入れてあります。


　つくづく日本人は骨を大切にしすぎる　！　と思います。


　一昨日インドでマハトマ　・　ガンジーの遺灰が六十年ぶりに銀行の


　貸し金庫から発見されたニュースが飛び込んで来ました。


　その遺灰をインドの人たちはどうしたか　？


　聖なるガンジスに流されました。


　その時の光景は当に　【　聖者　】　の扱いでした。


　ガンジーは拳銃で暗殺されます。


　しかし人々はインド独立の父として礼拝しています。


　釈迦牟尼仏は今でもヒンドゥー教の聖者の一人です。


　お釈迦様は


　【　人は生まれでバラモンになるのではない　！　


　行為に寄ってバラモンになる　】　と言われました。


　その通りです。


　撃ち殺されたぐらいでは人の尊い魂は死なないのです。


　その美しい姿を形に出来るのは　【　人間　】　だけですね。


　今夜は此処まで　！


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　拳骨和尚