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April 27, 2006
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カテゴリ:哲学。
初めての食材を与える時も、余り前回の反応の良くなかった物を与える時も

わたしが必ずブル之助に言う言葉が有る。

「美味しいね~。あ~、美味しい!う~ん、美味しいねえ!」

笑顔に説き伏せられるかのように、複雑な顔をしていたブル之助もニカッと笑って食べる。

それは、枝豆のピューレーだったり、トマトだったり。


相変わらずお風呂の時間はオトコの時間。

ブルルが張り切って入れてやり、体を拭いて、ローションを塗って、髪まで梳かしてやる。

キッチンで使うベビー用の浴槽で笑い合う二人には、

なんだかわたしも体を小さくする魔法にでもかけて貰って洗って欲しい気分になるほど。

濡れたガーゼで顔を拭く時だけ、少し嫌がるブル之助にブルルは

「I know you don't like it, sorry buddy. But I have to clean your face, okay?」と

実に毎日それは気の毒そうに説明するのだ。

ガーゼを絞る時点で既に謝っている。


妊娠のうんと前に、素晴らしくお行儀の良い

しかし生き生きした可愛らしいお坊ちゃんとお嬢ちゃんの居る当時の同僚とそのご主人に

「こんなに良い子達(当時中学生だった)に育てる秘訣は?」とブルルが訊いた事が有る。

イタリア系アメリカ人の彼は極々あっさりと

「子育てはねぇ、Brain wash(洗脳する)なんだよ。」とのお答え。

例えば刺青やピアスだらけの若者になって欲しくなかったら、そういう人を見た時がチャンス。

「ああいうのって格好悪いねえ。」(←あくまでも彼の挙げた例。)

と、すかさずに言うんだそうだ。

そこで「ああいうの、どう思う?」なんて言って、子供が「いいねえ!」と言っても

それを尊重しよう、と「そっか、君はああいうのが好きなのか。それも良いとしよう!」

そういう風に持って行ってはいけないんだそうだ。

子供はまだ子供で、自分の意見なんて持っていないんだから、大人のガイダンスが居るんだよ、と。



ふ~ん、成る程ねえ・・・。と、実にアメリカ人らしくないそのお答えにわたし達夫婦は唸った。

そして、これが、今まで生きて生きて来た中で一番と言って良いほどのご家庭だったので

今でもそれはわたし達の胸に深く刻まれており、時折話題にも上る。


しかし、その線を引くのには常に迷いが生じる事を、親になって初めて知った。

好き嫌いをしないように何でも食べさせよう、と言うレベルはまだわたしには簡単。

一度拒絶されたくらいでは諦めないし、大体0歳児の味覚なんて日々変わる。


もう一人、今の近所の友人は三人の子供と夫と自分に毎日違う献立を出している。

子供は其々マカロニしか食べなかったり、ソースの掛かっている物は食べなかったり、

ご主人はご主人で色々難しくて、それでもそれを嘆くどころかむしろ

「こんなにみんなの要望に応えて居る!」という誇りさえ彼女からは感じる。


人其々だから、彼女がそれでいいならそれでいいんだし、

わたしは単に面倒なのでお断り、だけど。


話を迷いに戻すと、アメリカ、日本、関係なく二人の人間が結婚して其々の価値観が有るのだから

I know you don't like itと美味しいねぇ!のような落差は有る。

なんだかこれが、今後のわたし達の見解の違いを示唆するようで、

これまでいかに将来の子育て論に合意していたにも関わらず少し不安を覚える。

どちらが良い、という答えは無かろう。

しかし、考え出すと止まらなくて、自分達の両親を思い返す。



わたしの母がブルルママと初めて会話したのは国際電話だった。

「ご立派な息子さんですね。」と言った母にブルルママは

「Thank you. We are really proud of him。」と言い、母を内心引っくり返らせた。

変に謙遜しないで誇りに思い、本人にも誉めて誉めて、と言う育て方には賛成だ。


「ふつつかものですが・・・」と言った父がわたしの事を恥ずかしく思っているとは思わないが

それでも育って来た過程で愛しているよ、誇りに思うよ、という言葉が有るのは素敵だと思う。



何を迷っているのか、と言われると一概には言えないのだが、

これからずっと何かを迷いながら、それでも真剣にブル之助を育てて行くんだろうな・・・、と

そんな覚悟みたいな物を自分の中で感じている。








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Last updated  April 28, 2006 09:29:07 AM
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