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2015/05/05
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テーマ:たわごと(26728)
カテゴリ:カテゴリ未分類
自分が行っておいてこういうこと言っていいのかとも思いますが
安易に博士課程に行きたいという学生がうちのプログラムに多くて驚いています。
修士課程でこの体たらくなのに、何が博士じゃ、と思うのをぐっとこらえていますが
それにしても安易だよなぁ・・・

自分のもとから別の学部にですが今年から博士課程に進んだ学生がいます。
真面目で、がんばり屋ですがそれでも苦労している。
進学前に何度も就職の厳しさや、学位取得の難易度などを言って聞かせたにも関わらず
やっぱりいざ進学してみるとしんどい、きつい、らしい。
最初の学期だから、別分野だからきついのは当たり前なわけですが
ここからが勝負だと私は見ています。

努力だけでほめられたり学位を取れるのは修士課程までだと言っただろう(苦笑)。
それでも、本人が本当に「勉強」ではなく「研究」が好きなのなら何とかなるとは思っています。
その先の就職云々は、指導教員に相談してみて、あとは自分で何とかするしかない。
でも「いざとなれば予備校講師でもいい」とまで言い切ったのですが
何があっても自分で何とかするだろうとは思っています。
研究業績を積み重ね、教育経験も重ねてもそう簡単に仕事にありつけないのがこの業界なんだな・・・
それは、本人が体験するしかない。指導教員も他の誰も助けてはあげられないですから。

でも、時として「あのまま進ませて良かったのか」と自責の念に駆られることはあります。
それは日本の場合アカデミックポジションでも企業でのポジションでも年齢制限があること。
もちろん表立っては言われませんけれど、実際博士号を取ってすぐにフルタイムの専任に慣れることはまれ。
ポスドクをやって、次に任期付きのポジションをやって、やっと専任の任期なしのポジションにありつくというのが
日本での現状らしい。
私は幸い博士号取ってすぐにフルタイムのテニュアトラックのポジションについて
今こうやってテニュア持ち、つまり任期なしの専任をやっていますけれど
私の分野でも、アメリカででもポスドクをやる人は結構いました。
日本ではそれにもうひとつ任期付きの助教とかをやって初めて任期のないポジションにつくことが一般的らしく
だいたい30半ばまでにそのポジションについていないと厳しいらしい。

ここに私の「自責の念」の部分があります。
がんばり屋のこの院生はもうすでに30代半ば。
博士号ストレートで取れても40前。
本来なら、すでに中堅として結構な業績を持っていないといけない年齢です。
年齢に関してこれだけうるさい日本社会、それにただでもポジションが少ない日本のアカデミア。
その学生が進んだ分野はポジションがほとんど空かない・・・
それこそ高学歴ワーキングプアの道が見えるようで、
「やっぱりあの時意地ででも博士課程進学は止めたほうが良かったのか」と思うわけです(溜息)。

よく友人たちや他の同僚たちに言われるのですが
「誰だって表面的にIzzyのやり方見てたら簡単に博士号取れて仕事にありつけると思うわな」という部分があるらしい。
自分の研究室でギター弾いたり、酒盛りしたり好き放題してるように見えるらしい。
学生の前で「ほら、先生はこんなにしんどい思いしてるんだよ」なんていちいち見せませんから。
誰の前でもそんな格好悪いことやるわけないぢゃん。
だけど、私の業績を見たらわかるはず。
遊んでばっかりではいなかったと。
最近なんて仕事ばっかでギター弾いてないわよっ(号泣)。
GWだって仕事してますけど、それが何か??

私は自分でも仕事人間だと理解してます。
人様の前ではそう見せませんけど。
土日や祝日仕事で当たり前だし。
それが嫌ならこの仕事やってらんない。
ましてここ2年ほど碌にちゃんと仕事できなかったから、今は危機感持ってやってますよ。
私の本業は研究だから、この2年間学生に振り回されていた時間研究できなくてしんどかった。
このままじゃダメになるんじゃないかって危機感がすごかったです。
だから今必死で取り戻そうとしてる。
まだ、キャリア的に落ち着くには若すぎる、と自分で思ってますから。

うちの院生たちの問題は、大学院とは勉強する場ではなく研究する場だってことを理解してない部分にあると思います。
コースワークも学部の延長。学生の質も高くないから先生たちもちゃんと研究させることを半分放棄している。
そんな中、私は必死に研究教えようとしましたけど、今はもうその気力がない。
どれだけやってもこの学生のレベルでは無理がある、と。
頑張って教えようとしましたけどね、土台がないから無理だと気が付いた。
そんな状態で自分の学生を他の学部の博士課程に送り込んでしまってよかったのか?
頑張るだけでは生き残れない(頑張って当たり前)世界に放り込んでしまってよかったのか?
頑張ってもかなわないことがあるということに、めげずにいられるのだろうか?
頑張って頑張って何とか研究の業績を上げても、上には上がいて、そんな人たちでも仕事になかなかありつけない。
そんな状況に早かれ遅かれ立たされた時に、つぶされないのだろうか?って。

私の人生ではないといえばそれまでなのですが。
あれだけ反対しても進んだのだからあとは自己責任ということにしてください・・・
頑張って何とか独り立ちしてほしいけれど、これには運もあるからねぇ・・・
でも、石にかじりついてでも何とかすると信じたい。

そんななか、別の学生が「親に言われたから博士課程に行く」といいだした。
冗談じゃない。
誰かに言われてできるようなものじゃない。
うちの院生の中ではマシですけれど、あくまでもうちの院生の中というだけで
彼女の親が思ってるような一流の大学院のPhDプログラムになんてまず無理だろう。
だってうちのプログラムですら大学院に進んだら成績が今いちなんですから・・・
親も親だよ・・・研究するのがそんなに好きでもない、研究が何かもわかっていない
20過ぎの子供にそんなこと強制するなんて何を考えてるのだ???
おまけに、彼女は気の毒に某教員のきまぐれでとんでもない成績をくらい
この先オールAになってもまずトップスクールには入れないという成績になってしまった。
えぇ、傷物ですよ、まったく。
そんな中受験させて、全滅したら親がどう出るか・・・子供を責めるんでしょうね。

近いうちにハッキリ言いますけれど。
その甘い考えでは博士課程に行けてもその後はない。
トップスクールといわれるその分やの一流校に行かないと意味がない。
そして、トップスクールに行ける状況ではないのだと。
そして自分がまだ何の分野の専門家になりたいのかもわかっていないのに
博士課程に出願しても多分通らないだろう、と。

親にじかに言ってやりたいぐらいだ。
研究をなめるなと。博士課程というのはただ学校に行くのとは違うのだ。
不安定で、先のないトンネルの中に、自発的に入る気のない子供を入れる気か、と。
学生にも、もっと自我を持てといいたい。
まだ日本の普通の学生のほうが現実的ですよ。
博士課程に進んだ時のリスクをわかってるだけ。

本当に研究が好きで博士課程に進んでもくじけそうなときっていっぱいあるのに。
好きなだけでは生きていけないと嫌でも思い知らされる時がたくさんあります。
私も当然そういう気持ちしょっちゅう味わっています。
それでも、やる。この立場に立てただけでラッキーなのだと思いますから。
私よりずっと才能があってもあきらめなきゃいけなかった研究者だってたくさんいます。
そのことを考えたら、今の立ち位置に感謝してやるべきことをやるしかないわけです。

それでも傍目には楽に見えるのか(笑)。
ま、いーけどね。余裕あるように見えるほうがまだいいわ。
実際は水面下で必死にばたついてる白鳥みたいなもんなんだけど。
そこまで優雅にはみえないかな(笑)。








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最終更新日  2015/05/05 05:34:08 PM
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