中高年の生涯学習

​天皇は来年4月退位し、新に皇太子が即位される。5月の連休を10連休にするとか、大騒ぎである。ここで改めて「天皇」とは何か、なぜ日本には「天皇制」という制度があるのか、考えて見る機会である。東京のど真ん中にある皇居というスペースには何があるのか。歩いてみてこよう。といっても普通の人間にとって恐れ多くて、近づけない場所になってる。しかし後に記すようにオープンスペースのところもあり、美術・歴史散歩には得る所が非常に大きい。
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まず、皇居散歩に出る前に天皇について学習してから出かけよう。岩波新書に原武史著「昭和天皇」という本が出ている。天皇側近の人の言葉を通して「昭和天皇」の実像に迫っている。韓国ドラマのような人間確執が浮き彫りされる。単純な「皇室アルバム」ではない。軍部や政治家とのやり取りなど、新聞やテレビで伝えられる天皇像とは大分違う。

​次に「グーグルアース」を使って皇居を空から眺めてみよう。「グーグルアース」は地球上の地域をパソコン上で空からクローズアップして映し出すことのできるソフトである。世界旅行が簡単にできるが、普通では簡単に立ち入ることのできない場所をドローン映像のように映し出す。まず「グーグルアース」をインストールする。検索窓で「千代田区皇居」（日本語でＯＫ）と入力する。皇居の上空にホバーリングの状態になる。操作は慣れるまで時間を要するが、マウスの車輪を回して拡大、縮小で対象に近づいたり、離れたりできる。カーソルを右上の方へ移動すると操作盤が出てくる。ここの人形の形のアイコンをドラッグして自分が立ってみたい地上に置いてみると地上の映像になる。ただし皇居の場合は、映像が崩れるか、モノの陰になってしまってうまく再現できない。
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​場所の名称が「グーグルアース」は細かく表示されない。ビジネス地図帳の「千代田区」を開いておくと、その名称が分かる。皇居中央の左に御殿が見えてくる。ここは「吹上御所」という名称の天皇の住まいである。縮小して、周囲が分かるようにすると半蔵門、国立劇場の方向になる。吹上御所から下の（南）に移動すると深い谷のような濠が見られる。地図上で確かめると「道潅濠」という名前がついている。近くの立派な建物は「生物学研究所」。天皇は驚くことに生物学の研究者なのだ。
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​​東京の一等地にある皇居。地代や固定資産税がいくらになるか見当もつかない。ともかく膨大な広さである。1日ですべて回ることなど諦めよう。皇居は大きく4つの地域に分かれる。「吹上御所」のある地域と「東御苑」。東京駅から皇居に向かう所に「皇居前広場」。武道館のある「北の丸公園」。武道館はスポーツイベントや学校の入学式、卒業式に使われ、たいていの人は一度は行ったことがあるはずだ。

ここでは「東御苑」に行ってみよう。実際に行く場合、休園日に注意する。月曜と金曜が休みの場合が多く、ホームページで確認してから出かける。ここは一般公開である。それも無料である。「東御苑」は東京駅、地下鉄の大手町から歩いて大手門から入る。受付で入園票をもらう。大手門をくぐった右手に鯱の像がある。戦災で焼けた櫓（やぐら）にあったもの。富士見櫓がある。櫓は武器を収める倉庫である。巨大な石垣が残っている。園内は季節季節の花が咲いている。サクラ、バラ、ツバキ。その時その時で変わるので、季節を意識しておく。
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​江戸城天守閣は石垣の土台だけが残っている。階段で上に上がれる。この上で「天下をとったぞ」と叫んでみるのも一興である。看板がないと分からないが、「大奥跡」や「松の廊下跡」は想像力が全開になるところである。三の丸尚蔵館は皇室に伝わる美術品を展示公開している。教科書に載っている美術品がゴロゴロある。ナマのものを目の前で見れる至福の時間である。ここも入場は無料だが、午後4時くらいの早い時間で閉館になる。
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​​​宮内庁のホームページから皇居のガイドツアーに申し込むことができる。1日2回あり、これも無料である。

もう一つ「吹上御所」での自然観察会も5月4日の「みどりの日」に合わせて開かれている。東京のど真ん中に武蔵野の自然が残されている。国立科学博物館所属の専門家がガイドする。こちらは70歳以上の人が対象のようだが、競争倍率が50倍以上ときびしい。一生に一度は皇居内へ入ってみたと思う方は応募してみたらどうだろう。１回30人、一日3回実施。これも無料。当選して観察会に参加された方はぜひ本ブログに体験談を寄せてください。申し訳ありませんが原稿料はなしです。当選されたらカメラをお忘れなく。
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宮内庁ホームページ
​http://www.kunaicho.go.jp/​