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カテゴリ:漢詩・漢文
過横山顧山人草堂
只(一作祗)見山相掩、誰言路尚通。 人來千嶂外、犬吠百花中。 細草香飄雨、垂楊■(「門」のなかに「月」。カン)臥風。 卻尋樵徑去、惆悵緑溪東。 【韻字】通・中・風・東(平声、東韻)。 【訓読文】 横山の顧山人の草堂に過(よ)ぎる。 只(一作祗)見る山相掩ふを、誰か言ひし路尚ほ通ずと。 人は千嶂の外より来たり、犬は百花の中に吠ゆ。 細草香ばしくして雨に飄へり、垂楊■(カン)として風に臥せり。 卻つて樵径を尋ねて去り、緑渓の東に惆悵す。 【注】 ○横山 ここでは浙江省海塩県の南にあるものを指すか。 ○顧山人 劉長卿の友人らしいが、未詳。「山人」は、俗世間を捨てて山に隠れ住む人。 ○千嶂 多くのきりたった峰。 ○百花 さまざまな花。 ○細草 細かな草。 ○垂楊 しだれ柳。 ○樵径 きこりが通う細い道。 ○惆悵 がっかいするさま。 【訳】 横山に住む顧山人の草堂に立ち寄って作った詩。 いくら遠くをみわたしても、ただひたすら山また山。道が通じているなんていったい誰がいったのやら、 旅人である私は幾つも重なり合った山々の向こうからやって来て、犬は多くの花が咲き乱れる中で見慣れぬ私に吠えかかる。 細い草は雨に打たれながらも良い香りをはなち、シダレヤナギはひっそりと風にゆれる。 ふだんは町暮らしの私が、あべこべに樵が通るような小道を通って、緑の水をたたえた渓谷の東にあるという君を訪ねたら、とうの君は留守で、落胆したよ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
January 16, 2006 06:20:32 PM
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