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能篠純一「昭和天皇物語 (15)」

原作：半藤一利
脚本：永福一成
監修：志波秀宇

淳宮秩父宮雍仁は結核に罹患し、御殿場で静養。
最後の元老、西園寺公望、死す。享年92。
広島湾柱島に停泊中の旗艦、長門で指揮を執る連合艦隊司令長官、山本五十六は、近衛文麿首相に呼び出され上京。荻窪の近衛邸で、近衛から日米開戦時の海軍の見通しを尋ねられる。山本は日米開戦回避を近衛に懇請。
山本は海軍省で、海軍大臣、及川古志郎と会談。山本は日米開戦回避の人事を及川に提案するが、及川は拒否。致し方なく真珠湾攻撃を進言。
大政翼賛会発足。総裁は近衛文麿。
昭和16年6月22日、ナチス・ドイツがソ連に侵攻。外務大臣、松岡洋右は、三国同盟に基づきソ連を撃つべきであると主張。海軍は石油等の資源調達のため南進、すなわち南部仏印進駐を主張。陸軍は松岡に同調し北進を主張。
陸軍大将、東久邇宮稔彦が宮城に参内。何かにつけ統帥権独立を主張する軍部への不満を漏らす天皇に対し、大元帥である天皇は、たとえ参謀総長や陸軍大臣が何を言おうと、拒否すべきことは拒否すればよいと提言する。
君臨すれども統治せず。苦悩する天皇。
近衛内閣総辞職。これは松岡外相を外すことが目的だったと木戸幸一に明かす近衛。天皇が御前会議で発言したがっていると話す木戸に、発言を絶対に許可してはならないと返す近衛。
昭和16年9月3日、大本営政府連絡会議で国策遂行要領案が決した。9月5日、近衛が参内し、天皇に国策遂行要領案を提出。開戦を示唆するその内容に恐懼した天皇は、直ちに杉山、永野、陸海両総長を招集したが、結局両名に言いくるめられてしまった。
9月6日、御前会議。天皇は、明治大帝が日露開戦回避を願って詠んだ和歌を詠唱するが、すでに外堀が埋められており、国策遂行要領案が正式に決定した。
10月、近衛首相辞任。近衛は東條英機を通じて次の首相に東久邇宮を推挙したが、天皇は拒否。木戸は苦肉の策として、開戦論者の東條を首相に推す。虎穴に入らずんば虎子を得ず。
東條、開戦を決意。