武論尊・原哲夫「北斗の拳 (1)~(9)」
文庫版全15巻。第1巻のみ、巻末に佐竹雅昭の解説がある。9巻のはじめの方でラオウが死んで、第1部が終了。本来、ここで連載も終わりにすべきところが、当時あまりにも人気があったために続行せざるを得なかった。当然、第2部に入ってからはボルテージが落ちる。はっきり覚えている部分と、完全に忘れていた部分とが混在。有名な「おまえのようなババアがいるか」の場面もそうだが、中ボス級の敵の大きさが尋常ではない。ケンシロウを鷲掴みにしている場面からすると、手幅が1メートル以上ある。そんな人間はいない。ケンシロウは巨大怪獣と戦っているようなもの。はっきり数字を出している場合もあって、山のフドウは体重が300キロ以上。アンドレ・ザ・ジャイアントが各地にごろごろいる世界だ。実は兄弟だった、実は兄妹だった、実はユリアだったのオンパレードは、往年の大映ドラマもかくやの凄まじさだが、これははじめから構想していたのか、それとも、連載途中の思いつきなのか、どちらなのだろう。