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ボールは回る、地球も回る。-深読みオシムジャパンと日々雑感-

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2006.10.13
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オシムジャパン第6戦、対インド、3-0で勝利。

私個人にとって、このインド戦の勝利の興味は、代表選出2戦めで、2つのゴールを決めた播戸の、ゲームの後のコメントの中にあった。

彼は自分のゴールについて話した後、もうひとりのFWの巻について、彼とのポジションに関しては、試合が始まったらないようなもの。僕が右に行けば、巻は左に行ってくれる。非常にまわりを生かせるいい選手だと思う、と付け加えている。

インタビュアーの方から巻について聞いたかどうかは、定かではないが、27才にしてやっと代表選出のチャンスをつかんだ彼が、代表サバイバルの直接のライバルをほめる余裕があり、決定力不足があちこちで叫ばれている中で、“FWは点を取るのが仕事”と連呼していたのに、試合を自分の成功への小さな目だけでなく、一歩下がって、客観的に見ていたという事実は、ほとんど播戸というプレーヤーを知らない、サッカー観戦初心者の私には、驚きであると共に、まったく予想していなかったコメントだった。

インタビューは、試合直後に行われ、彼はまだ試合の余韻とゴールの喜びと興奮の中にあったはずだから、このコメントは、何の飾りもない、額面どおり、ストレートなものと受け取っていいだろう。

中田英寿や中村俊輔のような際立ったマスコミ向けのスターが存在しない、オシムジャパンの中で、代表選出の初戦で頭を6針も縫う負傷をしたにもかかわらず、ひたすらゴールを狙う鬼気迫る播戸の姿は、頭に巻いた包帯というビジュアルの効果も手伝って、インド戦前のスポーツ各紙の格好の題材になっていた。

テレビ観戦が出来ない私は、インターネットの速報で、日本が播戸の2ゴールでリードしていることを知るが、必要以上に、ゴールを決めたプレーヤーを持ち上げる翌日の新聞の派手な見出しを想像して、少しばかり素直に喜べないでいた。そして試合は、中村憲剛のミドルシュートで1点を追加して、3-0で完勝。

どんなゲームで、どんな勝ち方をしたのかを知りたくて、いくつかの私の定番ブログを回る。そして約2時間後、J’s Goalのサイトで播戸の試合直後のコメントを読んで、なぜかほっとしたのである。

FWだから、貪欲に点を取りに行くという姿と、それがチームのためになるという事が、あまりにも自然に、他のチームメートとの連係を語る事により、時として相反する、個人の利益とチームの利益という垣根を、まったく感じさせないコメントだったのだ。

サッカーは団体競技だから、チームプレーが重視されるのは、当たり前だが、いざこのチームプレーは、どういうものかと聞かれたら、案外と答えに窮する。

ひとりひとりのプレーヤーが、まず自分のためにプレーし、それが、チームとチームメートのためにもなるというのが、私の考えるチームプレーである。だから、初めからチームのために自分を犠牲にするというのは、もっともらしいが、どこかうさん臭い。

自分のためにプレーをやっても、著しくチームの利益を損なうのが、利己的なプレーなら、チームの犠牲と称して、自分だけ悦に入るのも、利己的なプレーだ。たぶん、団体競技においては、誰かが誰かの犠牲になると考えるのが、そもそも、間違いなのだ。

一方、団体競技が、多数で何かをやることだとしたら、家族や友達や夫婦についても、チームプレーを考えるのは、無理な事ではないだろう。

また、自分というひとりの中に、何かをする時いつも、問いかける自分と、それに答える自分、あるいは自分の考えや行動を外から客観的に見るもうひとりの自分がいるとしたら、ひとりの自分さえ、チームと考える事も出来るだろう。

播戸の2つのゴールと、巻についてのコメントは、個人とチームについて、こんなことを私に考えさせる。

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私は今、アメリカに住んでいて、ジャパニーズレストランでマネージャーをやっています。

イチローと城島のいるシアトルマリナーズと、松井の入団をきっかけに、NYヤンキースを応援していたのですが、ここ1、2年、ヤンキースに対しては、どういう訳か熱意がだんだん冷めてしまいました。

メンバーがコロコロと変わり、いつも高給取りが連れてこられて、1年でポイもめずらしくない。チームとしてのまとまりが、だんだん薄れて行く一方で、オーナーの発言は勝ち負けばかり、マーケティング主体のチーム作りも食傷ぎみ。最悪なのは、やはり、主力選手のステロイド疑惑。フェアプレーも何もあったものじゃありません。

勝つ事は、とても大事だけれど、どうやって勝つとか、どうやって選手を育てるとかが、忘れられている気がします。

“単に勝ち負けだけだったら、ジャンケンでもやっていてください。”というオシムさんの、きつーい一発が聞こえてきそうです。

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オシムさんのインタビューや語録を読むと、考えながら走り、全員で攻撃し、全員で守備をするというサッカー像が、おぼろげながら見えて来ます。

スタートしたばかりのオシムジャパン、勝つ事への期待はもちろん、どんなチームプレーをするのだろう、という事も見て行きたいと思います。





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最終更新日  2007.05.17 10:25:50



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