テーマ:美術館・博物館(1487)
カテゴリ:芸術論
<マックス爺またまた博物館へ行く>
5月中旬のある日、私は多賀城市にある東北歴史博物館を訪ねた。 『特別展 世界遺産ラスコー展』を観るためだった。会期は3月25日から5月28日まで(2017年)なので、残念ながら既に終了しているのだが、今日はこの展示を紹介したい。なお、ほとんどの展示物はレプリカで撮影が可能だったが、一部はレプリカでありながら不許可のものもあった。その差が何なのか、私はついに分からないままだった。 世界遺産ラスコー洞窟はスペインのアルタミラ洞窟と並ぶ壁画で有名な洞窟。フランスの西南部ドルドーニュ県にある。 モンティニャック村はとても静かな山村。 1940年のこと。ヴェルゼール渓谷の河畔で遊んでいた少年たちが、愛犬が落ちた穴に入って助けようとした。 愛犬が落ちた穴の奥には洞窟が続いていた。そこで少年たちは驚くべきものを観た。 そこには今にも飛び出そうとするようなたくさんの動物たちが、色鮮やかな絵の具で描かれていたのだ。一体誰がこんな絵を描いたのだろう。評判は直ぐに広まり、やがて洞窟は学術調査の対象となった。 発掘調査の結果人骨が発見され、クロマニョン人と命名された。洞窟の絵を描いたのは彼らであることも分かった。 従来ヨーロッパ人の祖先はネアンデルタール人だと考えられて来た。35万年前に出現した彼らは、2万数千年前に絶滅したことが分かった。 これに対してクロマニョン人はホモサピエンスの直接の祖先であることが分かった。 2万年前のヨーロッパ北部は分厚い氷床で覆われていた。地図の白い部分だ。 同じ時期の日本列島も、北部でアジア大陸と陸続きだった。間宮海峡が凍り付き、歩いて渡ることが出来たのだ。 発掘された人骨から復元されたクロマニョン人の肖像。(以下同じ) 女性の頭部には見事な装飾品も。 彼らは賢明で、かつ優れた芸術性を有していた。 当時のユーラシア大陸に棲んでいた動物たち。 彼らが実際に目にした動物たち。その1 目にした動物たち。その2 オオツノシカの利用例。肉は食料に。角は彫刻の材料に。毛皮は服の素材として。骨は針など裁縫道具として利用した。クロマニョン人は高い文化性を持った人種だったのだ。<続く> お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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