テーマ:美術館・博物館(1487)
カテゴリ:芸術論
<ラスコー洞窟の工夫>
「ラスコー洞窟はすっかり有名になったんじゃが、そのお陰でわしらが描いた絵がすっかりダメになった」。クロマニョン人が悲しそうに言った。見学者が次々に洞窟に訪れ、彼らが吐いた息で洞窟内の湿度が上がり、カビが生えて来たんだねえ。これは日本の高松塚古墳も一緒。あの貴重な壁画も古墳に入った研究者の吐く息でダメになったんじゃ。人間は同じような過ちをするんだねえ。 フランス文化省が採った措置は素早かった。先ずラスコー洞窟を封鎖したのさ。 驚くべきことに、フランス文化省は次の手を打った。何とラスコー洞窟そっくりの洞窟を作り、そこに元の絵を再現したんだよ。これにはクロマニョン人もビックリと言う訳。 それだけじゃないぞ若い衆。この第2の洞窟では、見学者も模写体験を出来るようにしたんだ。さすがはフランス文化省。見るだけでなく、自分でも描く喜びを味わい、引いては芸術や文化に対する理解を深めるようにしたんだねえ。 そして最近では「貸し出し用の展示」まで作ったんだ。つまりこれは第3の洞窟って訳。東北歴史博物館の特別展でも、この第2洞窟、第3洞窟の試みが生かされているんだよ。この絵などは洞窟内の暗闇でも絵の輪郭が浮き出て、臨場感が持てるように工夫されているのさ。 「わしらが描いた絵を観てほしいな。これはすべてレプリカで、わしらが描いた絵の方が上手だが。そう言ってクロマニョン人は姿を消した。 どちらもバファローだ。近鉄球団が懐かしいね。 どちらにも様々な動物が、とても正確に描かれているね。 こちらは馬の群れ。デッサンだけど素晴らしい描写力だねえ。 力強いバファローの姿。良く観察してると驚くよね。 堂々とした彩色の馬を中心にして。 牛と馬が入り乱れて。 草を食む馬の群れ。群馬県の人が観たら喜ぶかな? ラフなデッサンですが・・。 右を向いた牛の顔。ウッシッシ。 まるで抽象画のようなオオツノシカ。 彩色された馬。 当時の絵具に関する説明です。<不定期に続く> お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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