|
テーマ:エネルギー革命(253)
カテゴリ:照明
2015年3月18日 楽天エナジー 24時間365日、煌々(こうこう)と電気をつけて営業しているコンビニエンスストア。特に都市圏では、少し歩けばすぐに見つかるほど、至るところに店舗を構えています。 そんな状態ですから、さぞかし電力も大量に消費されているのでは……。そう思っていたら、実はコンビニエンスストア業界は、省エネルギー設備を導入した環境配慮型店舗を積極的に推進している、エコ先進業界だったのです。一体どのような設備が導入されているのでしょうか? 消費電力をおさえるための15の工夫 今回ご紹介するのは、愛知県豊橋市の工業団地に2014年11月にオープンした「ローソン豊橋明海工業団地店」です。同店の特徴は省エネ技術を駆使し、空調や照明、冷蔵設備にかかる消費電力をおさえる工夫がされているところ。その内容は以下15項目にもおよびます。 店舗前面ガラスの二重化(ダブルスキン) テントによる外壁面の二重化 太陽光パネルによる屋根の二重化 壁面の緑化 断熱性能の向上 自然換気空調システム 地中熱を利用した空調機 蓄熱式放射パネル アースチューブ 重力換気システム 太陽光発電システム&蓄電池 CO2冷媒冷凍冷蔵ケース デシカント空調機 LED照明 人工知能制御(EMS) ※愛知県豊橋市に最新省エネ実験店舗オープン | LAWSONより引用 この中でも特筆すべきは、コンビニエンスストアとしても初となる試みとなる「店舗前面ガラスの二重化」「蓄熱式放射パネル」「重力換気システム」の3つの項目です。 例えば「店舗前面ガラスの二重化」は、店舗入口前にガラスで覆われた空間を設け、そこに店内の排気を入れるというもの。入口が2重になることで断熱性を高め、店内空調の負担を軽減することができます。東北や北海道などの住居に採用されている二重窓と考え方は似ていますが、店舗の前面全体に広い空間を設けることで、さらに断熱性を高める工夫がされています。 「蓄熱式放射パネル」は、空調の一環として蓄熱材を利用したパネルを設置し、冷房時にはそこから冷たい空気が、逆に暖房時には暖かな空気が吹き出すというもの。同店ではさらにこの設備に地中熱を利用した冷媒を使用することで、空調設備の負担軽減を成功させました。 また「重力換気システム」は店舗外にあるローソンの看板を利用して、店内の換気をしてしまおうというもの。通常、看板はポールなどを利用して、見えやすい高い位置に設置されており、この高低差と気温差による圧力を利用して空気を移動させるというシステムです。これも電力を使用することなく空気を入れ替えることができます。 消費電力を60%カットすることに成功 実はローソンでは、こうした省エネルギー設備を導入した環境配慮型の実験店舗を2008年よりオープンさせており、「ローソン豊橋明海工業団地店」は7店舗目。通常店舗の2倍以上の投資を行い最新の省エネルギー設備を導入した結果、消費電力は同社最大となる60%の削減に成功しました(2010年度対比)。 消費電力カットと聞くと、断熱材を入れて保温性を高めたり、より運転効率の高い設備を導入したりするなど、設備面の強化に目を向ける人が多いかもしれません。同店では、もちろんこうした設備面の強化も行っていますが、外気を取り入れたり地中熱を利用したりと自然のエネルギーを積極的に活用しているのが特徴と言えます。 また、実験店舗で効果の高かった設備は既存店舗へフィードバックされるという仕組みもあります。同社はこうしたデータを生かし、コンビニエンスストアの省エネをさらに推進していきたいとしています。 家庭やオフィスでも参考になる? 今回ご紹介した省エネルギー設備の一部は、飲料の冷蔵庫や店舗外壁などコンビニエンスストア独自の設備に対する設備ですが、中には一般家庭やオフィスなどに応用できる技術もあります。意外にもエコ技術の最先端を行くコンビニエンスストアの技術が、将来的に私たちの生活の中で利用されるようになるのも、十分にありえることなのです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2015/05/03 07:26:36 AM
コメント(0) | コメントを書く
[照明] カテゴリの最新記事
|