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カテゴリ:牛
牛乳の殺菌について書いてみようと思ってます。が、なんだか自身がない。
なら書くな。 いや、書きます。自分の勉強と思って。 牛乳の殺菌とは何のことだか分かりますか? 牛乳パックの表示に書いてある「殺菌方法 ○○度○○分」などと書いてあるやつです。 「牛乳」と「生乳」と分けて説明します。 「牛乳」は殺菌後で製品となっているもの、「生乳」は殺菌前の乳で牛から搾ってそのままのものです。 牛から搾られた乳には多くの細菌がいます。 大別すると「大腸菌群」とそのほかの「一般細菌」で、細菌数が400万以上の生乳は出荷する事が出来ません。 牛乳の殺菌方法は「○○度○○分」と言うように温度を上げての加熱殺菌となりますが、牛乳に関する省令「乳等省令」では「63℃~65℃30分またはこれと同等以上の効果がある方法で加熱殺菌」でなければならないと書いてあります。 この「63度~65度 30分」とはいわゆる「パスチャライズ」と言われている殺菌方法でこのパスチャライズ殺菌法(パスチャライゼーション)は御存知、有名な細菌学者パスツールがあみ出したことからこう呼ばれています。 「低温殺菌牛乳」なんて呼ばれているやつです。 このパスチャライズ殺菌法のほか 低温長時間殺菌法(Low Temperature Long Time)LTLT法 高温短時間殺菌法(High Temperature Short Time )HTST法 超高温殺菌法(Ultra High Temprature)UHT法 があり、現在の日本で最も一般的な殺菌方法は一番下のUHT法です。 さぁ、家にある成分表示を見てみましょう。 おそらくほとんどの人がUHTのはず。 このUHT法、世界的に見ると実は全く一般的ではない殺菌方法なのです。 というよりも正確に言うとこのUHT法は他の国で行われるUHT法とは違うものなのです。 他の国で行われているのはUHT殺菌ではなくUHT「滅菌」法。 「殺菌」ではなくて「滅菌」なのです。 そう、細菌を殺して減らすのではなく「滅菌」してなくしてしまう、そう無菌状態にするのです。 殺菌とは違い滅菌を行うと無菌状態になるわけだから長期保存、しかも常温での保存が可能となります。 この牛乳はいわゆる「LL牛乳(Long Life Milk)」と言われていて、軍隊で長期移動の時や船の航海などの時のために考えられたものです。 ではこのUHT滅菌法が世界的に一般的かと言われると、これもまた違うのです。 このUHTで滅菌(日本の場合は殺菌)を行うと極端に牛乳の味が落ち、焦げ臭は発生するために好まれてはいません。 またパスチャライズ牛乳は成分も生乳と近く、母乳のように胃の中で固まるのでゆっくりと消化・吸収されるのですが、UHT牛乳はあまりに高い温度のためにたんぱく質が変性してしまい、胃の中で急激に吸収されてしまいます。 牛乳を飲んでお腹を壊す人やアレルギー体質の人のほとんどがこれのためで「パスチャライズ牛乳なら大丈夫」という人は少なくありません。 世界的に最も一般的なのは牛乳の風味が一番残り、焦げ臭もない、成分の変化が少ない「パスチャライズ」法なのです。 日本のUHT法はパスチャライズ法の悪い部分(長期保存が出来ない)と、UHT法の悪い部分(味が極端に落ち成分が変わる)という部分を両方持つ、へんてこりんな殺菌方法なのです。 しかしこの殺菌方法が9割ほどを占める日本では「UHTが旨い」と感じる人も少なくはありません。 UHT法独特の焦げ臭や舌に残るベトツキ感が逆に「コクがある」と感じるそうです。 実を言うと私もこれでした。 なのでパスチャライズ法の牛乳を飲むと「なんだかさっぱり」「物足りない」と感じるのです。 このUHT法「味が落ちる」「成分が変わってしまう」という事のほかにも問題があります。 LL牛乳が認可された時に問題となった事なのですが、世界的に見れば「UHT牛乳」も「LL牛乳」も同じ、つまり日本ではLL牛乳の問題=日本の牛乳の問題でもあるわけです。 この問題点とはこのUHT法では質が悪い生乳でも、殺菌されて飲めるようになってしまうという事です。 鮮度が良くない生乳(牛乳は搾ってから殺菌するまでの時間が最も大事)、搾ってから5日も6日も経った牛乳、極端な話半分腐っているような生乳でもUHT法なら牛乳になってしまうのです。 乳頭省令で細菌数「400万以下でないと出荷できない」とありますがこの400万というのはとんでもない数字。 細菌数1万以下の生乳だってざらだというのに。 あくまで基準ですが。 でもこのUHTが一般的である事は乳業メーカーにとってはありがたい事かもしれません。 毎日毎日、酪農家から牛乳を集めなくても良いからです。 今日はあっち方面の酪農家、明日はこっち方面の酪農家と、まとめて牛乳を集められるからです。 ここで根本的な疑問。 なぜ日本ではUHT牛乳が一般的になったのでしょうか??? これについてはまた次回書きたいと思います。 この疑問には森永乳業さんが大きく関係しています。 http://plaza.rakuten.co.jp/bokudou/ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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