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テーマ:サッカーあれこれ(19860)
カテゴリ:イラン代表
![]() テイモリアンに続きジャヴァド・ネコーナムもスペインのオサスナへの移籍が決定した。W杯前にアル・シャルジャとの契約を解除していたネコーナムは、リーガエスパニョーラ初のイラン人となる。ドイツでは低調なパフォーマンスに終始したが、これまでチーム・メッリを支え続けた功績を評価され、この3年契約に至ったのだろう。バスクのチームであるオサスナの印象としては、私の好きなソシエダも幾度と無く獲得に動いた屈強なCBのクルチャガとレアル・マドリーから都落ちしたバルドのラインにミロシェヴィッチ、元ハンブルガーのロメオの2トップが頭に浮かぶ。 ![]() (画像はオサスナ公式より) この中央にネコーナムが陣取る事になれば、オサスナの攻撃のダイナズムは確実に増す事だろう。またオサスナもチャンピオンズリーグ予備選からの出場権を得ており、カヴィアンプール、テイモリアンとのイラン3大ボランチが欧州の舞台で見れることになるかもしれない。ただテイモリアンはプレミアリーグの外国人に対する厳しい移籍条件を満たすことが必要になりそうだ。 ![]() 一方、国内ではブラジルキャンプが中止となったレネ・シモンエス率いるU-23代表が始動した。テイモリアンは渡英したため不在だが、ボルハニ、カービィ、ショジャイーのフル代表組にホセイニ、ヤヴァルザデ、シェイス・レザイー、マジャール・ザレ、モンタゼリといったイランの未来を支えるタレントが勢ぞろいした。彼ら若い世代がアジア大会、オリンピックで結果を残す事は海外組が活躍する事と同じくらい、いやそれ以上に重要である。2010年の主役になれるよう、アジアの誇りを取り戻すべく精進して欲しいものだ。 ![]() 中田英寿がドイツのピッチで涙を流したように、イランにも自らのふがいなさに涙した選手がいた。テヘランの魔術師ことアリ・キャリミである。あれほど夢見たピッチに立つ権利を得ながら、怪我をひきずり最悪のプレーに終始したキャリミはアンゴラ戦後ロッカールームで涙を流したといわれる。思えばチームワークの欠如からふがいない結果に終わった日本とイランのドイツでの闘いはどことなく似通ったものがある。そしてチームの和を乱したという意味で中田とキャリミにも少なからずチームのエースとして同じものが欠如していたように思う。それは自己犠牲と献身性である。アリ・キャリミはドバイでの王様生活をひきずり、バイエルンで見せる献身性とは裏腹にチーム・メッリでは横暴なキングとして振る舞った。このエースの態度がドイツ組、国内組、ダエイ派、キャリミ派といった様々な派閥を生み、監督へのリスペクトをも失わせチームと呼ぶにはおこがましいものに成り下がる要因となった。そして中田に関して言えば、彼が大会前にインタビュアーに述べたひとつの言葉が私の胸にひっかかった。「自分は全力を尽くします」この言葉が決してチームをまとめるリーダーの言葉でないのは明らかだろう。彼は一見ピッチで全力を尽くしてはいたが、チームの和を優先していない時点でフットボーラーとしての献身性は極めて低い。わがままなプレーで勝利に貢献する事が許されるのはフットボールにおいてはほんの一握りの才能だ。皮肉にもサッカーは独りでは出来ないということをピッチで体現してしまったように映った。この試合後、中田は引退を表明し新たな人生に進むことを宣言した。「サッカーは自分の為にやる」彼らしい判断だ。既に引退試合を組むプランもあるそうだが、ネットでいくらファンに感謝の意を述べようが、我々の心にまったく響かないのはなぜだろうか。 彼はやめるべきではない。何が「美学」だ、「彼ならしっかり考えた上での決断だろう、だから尊重したい」だと?馬鹿げている。我々ファンは背番号7をまだ見たい。これが本音だ。そしてチームの和に問題があるならピッチ上で殴り合ってでも本音をぶつけて解決すればいい。そして彼を見たいファンがいる限りピッチに立って欲しいと願う。こんな形で引退することより、海外チームで干されJリーグに戻ってもピッチに立ち続ける姿の方が私は好きだ。中田らしいキレイな引き際は、私には最後まで自分を飾るナルシズム以外には見えなかった。 一方、チームの和を乱し国民の批判を浴びたアリ・キャリミは子供達の輪の中にいた。それは中田が守り続けた純粋にサッカーを楽しむ心を取り戻すかのようでもあった。ドイツで同じような失望を味わった2人だが、中田は最後まで自分を愛し美学を貫く一方、子供達に夢を与えるキャリミの姿はより輝いて見えた。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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いいこと書いてますよ、まったくその通りですね、文章力ありますね。
キャリミが元気そうなのでほっとしました。 中田はプレイヤーとしては、FWかセカンドトップが最も適していたと思いますねペルージャの。 ボランチとしての貢献度は無茶苦茶です、ティモリアンと対照的ですね。 団体競技に向いてません。 ネコーナムオサスナですか、オサスナはいい中盤いませんから、どうなるか楽しみです。 ただ、私の彼に対する評価は少し下がってます。 ジーコさんヤバイですね、フェネルバフチェとは、神から貧乏神に転落した後、どのようなファンからの制裁があるでしょうか? なぜダウムからジーコなのか理解不能です。 (2006.07.06 14:52:27)
>SIGEさん
いや文章は思ったことを書いてるだけなので滅茶苦茶です。中田はボランチになってから影響力が薄れたのは確かですね。ネコーナムのオサスナは私もけっこう機能すると思います。ただスピード面で懸念されますが。ここ最近の不調から立ち直れるか見守りたいですね。ジーコはトルコですか。日本のファンのようにぬるくないので覚悟して行った方がよさそうですね。ただ元パルメイラスのアレックスもいるんですよね。 (2006.07.07 20:11:13)
アレックスと、ブレシアやユベントスで活躍したガーナのアッピアー、後は元フランス代表のアネルカが主力ですね。 シェフチェンコに4ゴール入れられた試合でもいいサッカーしてたんですけどね。
アネルカやアレックスの不在が痛かった。そこへジーコですから(笑) 柳沢とか呼ぶかもしれませんね。 「中田式哲学」という2000年に発売された、中田本を読みつつ、またセリエAでやってほしかったなあと思いました。 なぜかパルマで司令塔不適格の烙印を押されて、フィレンッエでは股間の怪我に泣きましたけど、怪我も治って復調していただけに・・ やっぱり中田=単独司令塔ですね。 中村も松井もフィジカル的に単独司令塔としては難しいでしょうし。 (2006.07.09 00:29:43)
>SIGEさん
ああ、アッピアーですか。彼はドイツでまた株を上げましたね。アネルカもちゃんと準備しとけばシセの代わりに入ったかもしれなかったものを。 中田は確かにトップ下でもう一花咲かせて欲しかった。パルマ時代はミクーとの競合に負けたんでしたっけ。ミクーはブレーメンを経て古巣のボルドーに戻るようですが。個人的に髪を青く染めて素晴らしいプレーを見せたミクーも好きな選手の一人です。 中村はまず、もっと厳しいリーグに戻るべきだし、松井は中央で結果を残さなければなりませんね。オシムはストイコビッチやジェフでは羽生のように決して当たり強くは無いがテクニカルなトップ下も好むようなので中村になるんでしょうかね。 (2006.07.09 01:41:40)
中田選手は現役当時から常々「サッカーが全てじゃない」って語ってましたからね。 サッカー以外で、いろんな事が出来るのは素晴らしい事であります。 ですが、それはいろんな事が出来る故にそこでのスペシャリストになれないっていうのを同時に見せちゃってましたよね。
文句を言うなら与えられたポジション(仕事)でしっかりと結果を出してからです。 ディフェンス能力の低い人がディフェンシブミッドフィールダーをやったところでカウンターの餌食になるのは明白。 それは既にローマで証明されてたこと・・・・・・ですね。 話に繋がりがありませんがスルーして下さい。 ではでは。 (2006.07.10 01:57:24)
ミクーはボルドー行くんですか?ナント、初耳です。
そういえば中田はミクーに司令塔の位置を奪われて、右サイドをブレシアーノに奪われたんですよね、思い出しました。 ローマ時代までの筋肉のつき方が好きでした、筋トレ頑張りすぎちゃいましたね。 本人は中村に代わって司令塔でやりたかったでしょうね。 イタリア、優勝しました。 私の個人的な感情としては、喜びやワクワク感、ストレス発散にはW杯より各国リーグ戦のが性に合っている感じです←軟弱者でしょうか?(笑) ルチアーノモッジGMは許せませんが、セリエAや熱狂的なバッジスタだったことから応援してたので良かったです。 バッジョほどのタレントはいませんでしたが(笑) (2006.07.10 06:47:47)
>たぃち~さん
確かに彼にとっての人生はサッカーそのものでは無いのかもしれませんね。それは人それぞれなのでしょうけど。自己主張が強く、複数のポジションをこなせない、それならあるポジションでは一流であるべきである。こう考えるとフィールド内でも外でも同じ事が言えそうですね。 >SIGEさん ミクーはボルドーに帰りますね。ジダンがデュガリーやリザラズと「ミラクルボルドー」で名声を残した後にミクーが素晴らしい活躍をした思い出のチームですね。私もW杯は心臓に悪いんですが、この大会がイランにとっては全てですからね。結局アジア杯やアジア大会だけでは評価に値しないので。イタリアは素晴らしかったですね。ただ豪州戦のPKだけはちょっとないかなと。バッジョは確かにいませんでしたね。むしろサイドやディフェンスで勝ち取った優勝といった感じでした。 (2006.07.13 10:14:52) |
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