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テーマ:サッカーあれこれ(19843)
カテゴリ:イラン代表
中田英寿が衝撃的な現役引退を決めた翌日、アンドラニク・テイモリアンのボルトン・ワンダラーズ入りが確実となった。ボルトンといえばネコーナムに触手を伸ばしたことでも知られ、国際色豊かなチームとしても知られている。この移籍でテイモリアンは同じくイラン代表のボランチでチャールトンに在籍したカリム・バゲリに続くプレミアシップ史上2人目のイラン人となる。
バゲリが名将アラン・カービッシュリー率いる昇格したばかりのチャールトン・アスレチックに移籍した当初は、チームメイトから「アジアのジダン」と賛辞を送られなど、プレミア初のイラン人として期待を集めていた。しかしバゲリ自身英語ができず、妻もイングランドに慣れることができないなど、ピッチ内外に問題を抱え、結局プレミアでの出場は同じ昇格組のイプス・ウィッチ戦に途中出場しただけでイングランドを離れている。この失敗の後、バゲリは中東のクラブへ移籍、日韓W杯最終予選敗退、そしてチーム・メッリからの引退とあいなったわけである。その後古巣のピルーズィに戻ってからはキャプテンとして素晴らしい活躍を見せ現在に至っている。テイモリアンはこの先輩の汚名を晴らすことができるだろうか。イングランドといえば以前に代表キャンプを行いクイーンパークレンジャーズ(2nd division)に3点を叩き込まれるなど、あまりいい思い出が無いがテイモリアンのプレースタイルには合致することだろう。23歳という年齢は決して若手ではない。W杯でスタメンを確保したことで巡ってきたこのチャンスをがっちりと手中に収めてもらいたいところだ。 一方、暫定的にキウマルス・ハシェミが就任していたIFF会長にヘシメット・モハジェラニの就任が正式に決定したようだ。マシャード生まれのモハジェラニは現役引退後、ディトマール・クラマー(日本のサッカーの父)のコースでコーチ学を学び、初めてのW杯出場をイランにもたらした英雄であり、アル・シャハブやUAE代表の監督を務めた後は、当ブログでも幾度も扱ったようにオーストリアのアドミラ・バッカーのジェネラル・マネージャーなどを務めていた。この男の下でなら再びチーム・メッリが世界の舞台で成功する可能性は高まりそうだ。ただ69歳という高齢が心配されるが、アドミラのGM時代の精力的な活動ぶりを思い出せば、それも杞憂かもしれない。どちらにせよ政治に左右されない本当の意味でのチーム・メッリ(国民のチーム)をつくって欲しいものだ。 またピルーズィとエステグラルの狭間で揺れていたイランU-23代表MFベフシャド・ヤヴァルザデ・アフランジャニ(23)が正式にエステグラルとの契約にサインした。彼にはライバルであるピルーズィに移籍したバヘディ・ニクバフトの後釜として左からの攻撃を支えることが期待される事だろう。またエステグラルはサバ・バッテリーからマスード・ザレを獲得し、さらにはモハンマド・ナヴァジの復帰も噂されている。今シーズンの移籍マーケットではこの両チームの「買い漁り」が目に余るが、その移籍金に見合った活躍をACLなどで見せてもらいたいものである。 エナヤティやハティービが高額なサラリーにつられ中東に渡れば、テイモリアンやカヴィアンプールは厳しい欧州での戦いに身を投じる。だが忘れてはならないのはチーム・メッリのベースは国内組でしっかりと固めなければ、ドイツで見せたようなイランのアイデンティティーをまったく見失ったサッカーに終始してしまうという危惧を持つことではないだろうか。イランらしいチームを国内組でつくりあげ、そこに海外組が経験やエキスを持ち込むのが理想である。この事を何より痛感しているのがモハジェラニだと私は信じている。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2006.07.05 03:17:52
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