メルボルンな日記

10日から、障がい者の方のアテンドをしております。

なんと、脊髄損傷を患いながら水泳の選手！

胸から下は麻痺していて、それでも、肩と腕で泳ぐの

です。最初は本当に不思議だったのだけど、泳ぎを見せて

もらって感動しました。写真はご本人の許可を得て掲載

しています。











他にもたくさんの障がい者の方が。

そう、この大会、東京パラリンピックの選考にも影響

するもの。オーストラリアだけでなくニュージーランドや

アメリカからも参加していました。



両足のない人、片足のない人、両手のない人、視覚

障がい、聴覚障がい…それぞれランク分けをされていて

そして、とにかく泳ぐ。



スタート台でもバランスを保つのが大変な人、支えての

スタートを許可されている人、両手がない人の背泳ぎの

スタートはタオルを介助者がプールサイドで引っ張り、

反対側を選手が歯でギュッとくわえていたり。


正直見たことのない世界が、そこにはありました。

パラリンピックはもちろん知っていたし、去年は聴覚障がい

者のバスケを観に行ったりはしたけれど…でも、障がい者

水泳は初めて。どのスポーツが大変とかは比較するものでも

ないけれど、私自身水泳が全然だめで、水泳は全身運動だし

泳げる人自体を私は尊敬していたのだけど。

それを障がいがありながらそれぞれのペースで泳いでいるのを

見ていたら、自分の愚痴や悩みが本当にちっぽけなものに

感じられました。



彼らの障がいは先天性のものもあれば、後天性のものもある

けれど、いづれにせよ、ショックがあったり、苦労もきっと

たくさんあったのは想像ができ（というか想像を超えるもの

だったとは思うけれど）、それでも水泳に生きがいを見出して

それぞれの目標に向け進んでいる姿を見て、本当にウルっと

きてしまいました。


私がお手伝いしていた方は64歳。64歳で水泳をしている人は

いると思うけれど、障がいがありかつ現役競技スイマーという

方は他にはいないと思う、とご本人談。


本も出されていてそれには彼女の子供の頃の話、家族の話、

水泳の話などが書かれていました。上に4人の兄姉がいらっ

しゃって長兄は知的障がい者。お母さまも最後はガンで、

お二人のお世話もされていたそうです。



本当に何から何まで「どうやってされていたのだろう？」と

疑問に思ってしまうのだけど、ご本人が何でも聞いてください

というので、一緒にお食事などをさせてもらっている時に

色々伺いました。不便なことは多いけど、自分で出来ることは

自分でしてるんですよ、介護もできますよ、と。



お料理も、車いすに乗りながら膝の上に薄めのまな板を置いて

野菜を切ったり。様々なお仕事や活動をされていて、寝る前は

ベッドの上でスマホなどを駆使しているのだとか。



そろそろ引退も考えられているようですが、競技水泳でなく

とも、楽しく長く水泳を続けていって欲しいなと思いました。

そして毎年メルボルンで行われているという、健常者障がい者

混合のこの大会にまた来て頂きたいなと心から思いました。