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先日のある午後に、自分のボスの部屋に行ってスケジュールの確認をしていた。その日はボスの友達A氏が起業して、その祝賀パーティの日だった。
そうか、A氏は最近こちらに連絡がないと思っていたら、起業の準備をしていたのか、とぼんやり思ったら、ボスが、「Aはね、去年の暮れに車の後部座席に座っていて、交通事故に遭って、頭蓋骨を骨折したんだ。幸い命は取りとめたが、8ヶ月も入院していたので、自分の事務所を解雇された。それから自分の秘書を連れて、最近起業したんだよ」と言った。ボスを含むA氏の仲間が心配してA氏を見舞った。首ならどうにかなるだろうが、頭蓋骨ではもう助からないだろう、と思って友人たちはそれぞれにもしやのときを考えていたそうだが、A氏は絶対に今死ねない、と強い気力を振り絞り、生き永らえることができたそうである。 A氏は20年前にもガンを告知され、生死の境をさまよったそうだ。抗がん剤を投与し、頭髪が抜けてしまうくらいにひどかったらしい。彼はガンに関するすべての医学書を読み、ガン研に自ら行って入院し、ガンに打ち勝ったそうである。 毎年約3万人が自殺する昨今、このように強い人間も居る。死にそうになったときにどうしても生きたいと自分をつなぎとめるもの、それがそのひとにとっての生命の価値なのではないだろうか。生きていてかみしめていたいもの、重病になってもこの世を去れない絶対的な理由を、A氏は築き上げて来たに違いないと思った。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
September 2, 2004 11:04:11 PM
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