テーマ:今日のこと★☆(104602)
カテゴリ:麻酔
午後に、ある病棟に術前回診に行きましたら、
ナースステーションで看護師さんに声をかけられました。 「△号室の〇〇さん、先生にどうしても会いたいそうですよ。」 2ヶ月間に心臓バイパス手術と大動脈の置換術を受けられたかた、 いよいよ明日に退院となったそうです。 大きな手術をふたつも続けてしましたから、 麻酔科医の私のことも覚えていてくださったようです。 私にとってもこういうのは2年ぶりのこと。 大学病院のスタッフ勤務では、なかなかありませんでした。 ありがたいこと、退院の嬉しいご挨拶です。 麻酔科医がお会いしているときのみなさんは、 手術の前の緊張され血の気のない表情か、 手術の後のぐったり疲れた表情がほとんどです。 ある意味でそのかたのプリミティブな部分ですが、 やはりそれは、尋常でない事態・状況だと思います。 『そのひとらしさ』は少ない状態でお会いしているのでしょう。 「まだまだ不安だらけだよ」とおっしゃりながらも 元気な物腰や明るい笑顔や旺盛な食欲を拝見すると、 眩しさにあふれる力強さを感じます。 このかたの本来の姿を見せるために呼んでくださったようで、 本当に嬉しくありがたく思います。 手術を受けられたかたの外来受診は、これからも続きます。 でもきっと、麻酔科医と会う機会は二度とありません。 それでいいです、でもずっと元気でいらしてくださいね。 ぎゅぎゅっと握手の、さようならのご挨拶でした。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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