若さと成長
私は、高校卒業と同時に上京しました。東京の情報系出版社に就職したのです。内定直後にその会社では大きな事件が起きて、騒動になっていました。当時、世間から冷たい目で見られ、おそらく売り上げも下降気味だったのではと思います。若い社長が責められているのを女子高生の私は山梨でテレビで観ながら色々考えていました。もしかして内定取り消しになるのかな、そしたらどうしよう、とも考えていました。内定を辞退するという考えは全くありませんでした。その会社の事業を尊敬していたし、自分も何らかの形で新しい産業に関わりたかったのです。結果的に私は新卒として入社式に出席し、短い間ではありましたが、社員として働かせていただきました。今振り返ると、会社の財政は決して良くはなかっただろうに、採用してもらえたことは、とてもありがたいことだったなと思うのです。後日、社員となった私は、プライベートの場で、社名を告げた途端、もう帰ってくださいと言われ、1分もその場にいることを許されないことがありました。私を追い出したのはおそらくは当時50代くらいの東海地方の私立A大学文学部の社会学の教授でした。もちろん会社がしてしまった良くないことについては法に従い改めるなり償うなりする必要はあります。しかしそれをプライベートの場で、東京から1人やって来た18歳の新卒社員に対し、敵意をむき出しにして追い払うというのは、あまりにも大人気ない行動ではないでしょうか。私が一連の報道や周囲の態度を見ていて感じたことは、必要以上に新興の会社は(社員も含め)責められてしまうのではないかということです。そしてそれは社長が若かったことも責められる理由になっていたのではないかと。その50代の教授からは、若い人が、常識も知らないまま、わけのわからない新しいことをして、今までの社会の秩序を乱そうとしている、という強い拒否反応を私は感じました。2人の子供の母親となった今の私だったら、その場を設けたA大学自体に何らかの形でこのようなことがありましたと報告をするでしょう。けれど当時18歳ですからね、泣きながら新幹線で帰宅しただけで、まさに泣き寝入りです。今思い出してもあの時の私が気の毒です。本当に交通費がもったいなかった。情報産業、という全く新しいものに対して、胡散臭いとか、信用できないなどと言われることはとても多かったのですが、今、ネットが発達すると、紙媒体を通り越し「情報」がネットで即時に見ることができるほどになっています。その会社は「情報」を「編集」することで新しい事業が生まれる時代の先駆けでした。事業自体は決して胡散臭いものではなかったし、新しい挑戦をする誰かがいたからこそ、発展があったのだと思うのです。今、今度は暗号通貨(仮想通貨)という新しい、多くの人がまだよくは知らない業界で事件が起き、やはり若い社長が責められています。もちろんセキュリティが甘かったなど間違っていた部分はあったのかもしれません。私自身、ほとんど日本円だし額も多くはないのですが、そこの口座にお金が入ったまま、動かせない状態です。もちろん少し困ってます。お金は返ってくるんだろうかと心配です。でも。かつての自分がいた会社のことを思い出すと、必要以上に責めることはしたくないなと思っています。新しいことに挑戦しようとしていたその姿勢については私は高く評価したいのです。今回の事件の会社にだって新卒社員や、内定者がいるのではないかと思います。彼らが心ない言動を受けることがないといいなと願っています。私は10代の時、その情報出版社という「就職」や「不動産」という情報から新しい「媒体」を作り上げるという姿勢を現場で学んだからこそ、その後、物書きとして、ケータイ小説や、電子書籍など、今、次々に新しい波が起きていることを前向きに捉えることができているのだと思います。今、時代は多分、猛烈な勢いで変わっているのだと思います。ちょっと前のブログにも書いた通り、私はトークン化社会になる方向はもう変えられないと思っています。みんな、法定通貨以外のお金の作り方を知ってしまったわけですから。全く新しいことを誰かが手がける。それはとても勇気がいることです。私が以前働いていた会社は、今も、新しい事業に次々挑戦し続けていますし、私は変わらず尊敬しています。私は今回の事件も含め、今の世の中の歴史的とも言える変化を物書きとしても観察していたいなと思っています。内藤みかtwitter http://twitter.com/micanaitoh内藤みかfacebook(個人ページ) https://www.facebook.com/micanaitoh内藤みかfacebook(お仕事近況ページ) https://www.facebook.com/micanaitohfan内藤みかイケメンブログhttp://ameblo.jp/micanaitoh内藤みかinstagram(最近復活した)http://instagram.com/micanaitoh※取材等のお問い合わせフォームはこちらです。※または facebookもしくは amebaのメッセージからお問い合わせください