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<サクラサク>
浪人中だった息子ですが、なんと早慶国立全部に合格をいただきました…! 第一志望の国立に進学を決めました。 これからは大好きな数学を専門に勉強するつもりのようです。 早慶、と学校名をはっきり書いたのには、理由があります。 ここに辿り着くまでが、息子にとって苦難の連続だったからです。 1歳の時に入った保育園で、パズルをしているときに呼んでも返事をしない、と、難聴の疑いをかけられ耳鼻科に行かされました。ただパズルに集中しているだけですと説明しても、1歳でそんな集中力があるわけないでしょ、と一蹴されました。 小学1年生の時、帯分数を描いて遊んでいる息子を見て、数字にこだわりすぎてる、これは自閉症に間違いないと担任に勧められ、児童発達心理科を受診しました。特に治療の必要はありませんでしたが先生は最後まで納得してくれず、特別支援クラスへの見学もすすめてこられました。 中学2年の時の担任の先生は、数学者になる夢をあきらめ教師になった方でした。 息子を始めとする数学少年たちはいびり抜かれ、夜9時まで居残り、翌日は7時登校を命じられることもありました。数学の授業では、半年以上、一切指名されませんでした。息子は登校時に吐くようになり、学校を休みがちになりました。心療内科に通う生徒が続出しました。その年、息子を含むクラスの6分の1が退学しました。(拙著「たたかえ!てんぱりママ」に詳しく書きました) たたかえ!てんぱりママ [ 内藤みか ] そして転校先の公立中では、転校早々数学の習熟度別クラスで一番上のクラスとなり、数学ガリ勉とか言われ、体育祭の時に「おまえなんか帰れ、おまえがいるとクラスが優勝できない」集団で殴る蹴るされるなどのいじめを受け、半年間、不登校になりました。 不登校生徒が通う支援学級に申し込みをしたら、その時受けた心理テストで「数学的思考が突出しすぎていて、言語的思考とアンバランスのため、受け入れが難しい」と言われ、協議となりました。幸い通えることになりましたが、数学が好きだとなぜ受け容れてもらえないのか、どこへ行けばいいのか、泣きそうになりました。 そんな艱難辛苦のさなか、息子の数学好きな一面を伸ばしてくれた塾の先生がいました。 「塾は午後1時からあいている。学校に行ってないのなら、1時から塾に来て自習しなさい」と面倒をみてくださいました。 おかげで数学少年を積極的に受け容れる私立高に合格することができました。 その私立高は本当に素晴らしく、好きなだけ数学をやっている息子を叱ることもなく、やりたいようにやらせてくれました。 先生にいじめられた私立中はいわゆるブラック校で、先生がたは息子に何度もこう言いました。 「数学しかできないおまえはダメなやつだ」 「数学しかできないんじゃ、ろくな大人になれないぞ」 ひどい呪いの言葉を受けていたようなものです。 先生達が生徒の可能性の芽を摘んでいるようなものでした。 しかし私立高の先生はこうおっしゃいました。 「君は数学ができるんだから、もう、それで充分なんだよ……」 その言葉が、今日までの息子を、ずっと支えてきたと思います。 昨年の入試は全敗しました。 数学の試験が例年になく簡単な大学が多く、差をつけることができなかったのです。でも今年は数学が軒並み難化傾向にあり、ご縁をいただくことができました。 本当にただ、数学だけで生きている息子です。 でも私も、息子はこれでいいのだと思っています。 幼いころから数字が大好きだった息子は、これからは数学者を目指すつもりらしいです。 息子は運良く合格をいただけたから、いいんです。 でもここまで来るまでに、潰されてしまう数学少年もいるのではないでしょうか、病院送りにされて、必要でもない薬を飲まされる子どももいるのではないでしょうか(実際、小学校の担任の先生は薬をすすめてきました。なぜ?なんのために?今でもわかりません)。 数学が好きなことイコール自閉症ではありません。 これはものすごい誤解だと思うんですがそういうかたがとても多い。 どうか、数学が好きな子どもを、奇異の目で見ないでほしいです。 数学が好きなことは、個性です。 たくさんの人に、特に担任の先生に、それをわかっていただきたいと願っています。 息子は全国中学数学大会でファイナリストにもなってます。 決戦大会などに集まる数学少年のなかには、もしかしたらちょっと変わったお子さんもいるように見えるかもしれません。遠くを見ていたり、ぼんやりしていたり。 でもそれは。頭の中でいろいろ計算したり考えたりしているんです。 ずっとずっと何かを考えているんです。 それは全然おかしなことじゃないと私は思います。 「お母さん、学校を休んで病院に行って来てください」 「息子さんは病気だと思います。数字のことばかり考えてます」 そう言った先生が、少しでも息子の才能を認めてくれていたら……。 先生にとって、たしざんだけをやってる1年生の時点で帯分数を書いていた息子は扱いづらい子だったかもしれません。テストでまだ習っていないことを書いた息子は、×をつけられました。正解なのに。まだ習っていないからという理由で×をつけられたのです。でも、好きでおぼえたことなので、認めてあげてほしかった……。 子どもは好きなものだったら覚えます。 ポケモンや妖怪ウォッチのキャラをいっぱい覚えたら、すごいね、とほめられるのに、 数式をいろいろ覚えたら、病気です。 これはおかしいです。 数学そのものを差別していると思います。 息子にとって数学は趣味であり人生の友のような存在です。 私にはそれがよくわかります。 なぜなら私にとって小説を書くことが趣味であり人生の友のような存在だから。 息子は数学の問題を解いていると幸せそうな顔をしています。 夕食も食べずに解き続けることもありました。 ほうっておきました。中断されるつらさを私はよくわかっていたからです。 でも、学校には、数学少年を理解してくれない先生が大勢いました。 ただ数学が好きなだけなのに、なぜか傷つけられる。 もう二度と、こんなことがあってはならないのです。 特に先生が、こんなことをしてしまっては絶対にいけない。 数学少年やその母親が孤立するような社会であってはいけないのです。 もっともっと数学少年にご理解をいただきたい。 つまはじきにするのではなく、応援してくださるような先生ばかりであってほしい。 そのために自分ができることはなんだろうと考えています。 雑誌「本当にあった笑える話」にて「すうがくくん」というマンガの原作をして、連載しているのも、少しでも数学少年にご理解をいただけたらという気持ちからです。 息子が小学1年の時にタイムトリップできるのであれば、担任の先生にこう言いたい。「先生、この子は12年後に早稲田や慶應に合格しますよ。病気じゃないんですよ。小さな数学の研究者なんです」。息子の未来を知ったら、先生は、病院送りにはしなかったんじゃないかと思うのです。 息子は素敵な大学に合格をいただけました。 でもここまで辿り着くまでに、息子もそして私も負わなくてもいい傷をいっぱい負った気がしてならないのです。 学校の先生に「お子さんは病気に違いありません」と言われて、それでもなお、子どもの才能をがんとして信じ続けるなんて、今でもかなりの心臓だったなと我ながら思います。見る人から見ればただのバカ親です。でも結果はこうです。私は息子の本質を信じて良かったと思っているし、今後は大学で熱心に研究をして、数学の力をこれからの社会に生かしてもらいたいなと願っています。 もしあの時、私が先生の言葉をうのみにして、息子を薬漬けにしていたら……。 改めてそれを考えると本当におそろしいのです。 今、息子にはたくさんの支えがあります。 合格を信じて応援してくださった高校の先生、予備校の先生、そして一緒に合格目指してがんばり、ともに合格した予備校や高校のお友達、それから、先に大学に入って息子を待っていてくれている、高校の先輩や、現役合格したお友達たち……。 そして大学には彼と同じように数学が好きでたまらない仲間がいます。 やっとスタートラインに立てた気がしています……。 ここまで来るのには、本当に長い長い道のりがありました。 息子はもう大丈夫だと思います。 大学の授業が始まるまで少し遊びたいとも言っています。 遊んで来い、と思います。 でも私は……。 少し休みたいなと思っています。 息子をかばい続けて、矢面に立って来て、さすがに少し疲れちゃいました。 だって息子のためにと頑張っても「クレイマー」とか「モンスターペアレント」扱いされてきたんですもの……。 大学から合格通知をいただいたことで、 「息子さんは数学の研究者になる道を歩んでいいんですよ。これまでのことは、間違っていなかったんですよ」 と、やっと、認めていただけた気がして、そしたらどっと疲れが出ました。 まあ……3日も寝れば回復すると思いますが(≧∇≦)。 私みたいに疲れちゃうママがこれ以上出ないように、 そして不条理な扱いをされる数学少年がこれ以上出ないために、 これからも息子だけでなく、世界中の数学少年(少女)のために、 微力ながら、何かできたらと思います(≧∇≦)。 それはそうと、 「不登校イジメに負けずに早慶国立に合格する本」とか 「たのしい浪人生活」とかそんな電子書籍が作れそうです(≧∇≦)…… <追記!> 息子が高校生の時に 「子どもの天才を見つける50の方法」 という電子書籍を出してます。何の結果も出してないくせに「天才」とは厚顔無恥もいいとこですが、楽しい本なので気になるかたはゼヒ(≧∇≦)99円です♪ http://www.amazon.co.jp/dp/B00CPLHHPI/ 内藤みかtwitter http://twitter.com/micanaitoh 内藤みかfacebook(個人ページ) https://www.facebook.com/micanaitoh 内藤みかfacebook(お仕事近況ページ) https://www.facebook.com/micanaitohfan 内藤みかイケメンブログhttp://ameblo.jp/micanaitoh 内藤みか楽天ROOMhttps://room.rakuten.co.jp/micanaitoh 内藤みかinstagramhttp://instagram.com/micanaitoh お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2015年03月14日 02時38分32秒
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