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カテゴリ:ミッドランド史
蓼科仙境都市には大学生アルバイトの他に土日だけ山に登って来る地元高校生のアルバイトがいた。夏休みを利用して長期滞在している子もいたけれど、それは大学生よりも短期であった。その高校生アルバイトの中の一人に、ふみをがお気に入りのT子という女子がいた。その子はどうやらバンドマンに好かれるタイプみたいでイタルもお気に入りだった。飲み会に呼び出しては酔っ払いがてらに「俺がT子を好きなんだ!!」「いやいや、俺の方が断然好きだ!!」とお互いに冗談っぽく言い合っていた。バカだと思ってもらって構いません。
そのT子のアルバイト期間が終わって下山してしまい、ふみをはイタルを出し抜く為に一考。不老苑の仕事が終わった後にT子に会いにいこうと考えた。だけれどそれは恋愛的ではなくて、どちらかというと妹に会いにいく的気分であった。その時のふみをやその周りの連中には、高校生に手を出すのは犯罪!!という暗黙の了解があったからだ。なのでその行動は軽い気持ちであった。 三輪幸平はアルバイト連中でも数少ない自動車で蓼科に来ていた。彼の愛車トゥデイでふみを、三輪、テツ(良く解らないけれど楽しそうだからついてきた)の3人で密かに下山。時刻はとっくに深夜12時を過ぎていた。その時の3人はまったく気がついてなかった。深夜12時という時間は不老苑で働いている奴らにとっては、これからが飲み会本番の時間でも、一般社会では寝る時間であることを。ましてや高校生の娘がいる家庭では非常識な時間であることを!? 一応、T子とは連絡を事前に取っておいたので彼女の家の近くで男3人待っていると、蓼科仙境都市アルバイト仲間でT子と同じ女子高生のH美が現れて、うちらに叫んだのだ!! 「みんな逃げてー!!」 その叫び声は時既に遅く、T子の住む家から出てきたのはT子の肝っ玉な母親であった。T子の家は美容院を営んでおり、その美容院のタイル張りの床の上で男3人正座させられ数時間説教の図。あれほど情けない思いをしたことはなかった。今では懐かしい思い出だが。 次の日、蓼科仙境都市からアルバイトの統括部長さんであったミッシー(もちろんあだ名)が菓子折り持って謝りにいったのは有名な話である。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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