バブルは握れない
おはようございます。あっと言う間に9月も晦日。年度で言えば半分が過ぎてしまいました。コロナ禍で鬱憤の貯まる半年だったな。一冊の本を読み終え読書メーターに投稿しました。転載します。その手をにぎりたい [ 柚木 麻子 ]バブルは令和から見れば日本史の一場面に過ぎないが、そこで生きた人々の多くは、バブルの概念もその世界の中に自分が居る事も客観視出来ていなかった。不動産が生み出した仮想の金の危うさに気付かず、社畜に徹し金を浪費した。本作は雇用機会均等法が施行されたバブルの日本を生きた一人の女性のリアルな物語だ。青子は銀座の高級寿司店で、職人一ノ瀬が握る寿司に出遭い、惚れ込む。彼女にとっては彼が握る寿司だけが自分の存在証明だった。その手をにぎりたい。泡の中の私を繋ぎ留めて欲しい。バブルの経験を美談として語る人に読ませたいお薬⒲