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カテゴリ:雑感
「鍵」がないと使えない、入れない、機能しない、動かせないというものがある。
物事を紐解く為の鍵を見つけることとそれを開けようとすることは必ずしも同じタイミングではない。 幾つの鍵を持っていますか? 一冊の本を読み終え読書メーターに投稿しました。転載します。 辻村さんの作品は何冊か読んでいますが、正直なところ、この作品を最初に読まなくて良かったと思いました。 鍵のない夢を見る [ 辻村深月 ] 同情はするが共感できる登場人物(男女とも)が一人も出てこないっ、・・と顕然と思ったのは、卓越した確かな筆力によるものだと改めて感服。登場人物の心理を鋭利な刃物で切り裂き、再構成して本のページの上に煉(ね)り上げたようで、辻村さんのグロテスクなほど精彩な感性がなせる業だと思う。本作は5編の独立したオムニバスで、夫々に暗転、悲運、破滅、犯罪、恋愛といった閉塞感によって作られた扉が存在する。果して扉を開ける「鍵」は見つかるのか。読後の余韻に、彼らのベターなその後だけを願いたくなる。直木賞。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2017/07/26 07:23:17 AM
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