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平安時代、女性があまり賢く、漢籍などまで読めたりすると不幸になる、と
と言われていたようです。 本当かな、ということで。 まず、定子の母である高階貴子は学者の家系だったので、娘も漢籍を習い、 貴子はそれをやはり息子にも娘にも学ばせていました。 彼女は道隆と結婚し、二男四女をもうけ、夫は関白に、娘は中宮に、息子達 も高位に上っています。 ただ、道隆が亡くなったあとは後は息子達が不祥事を起こし、定子は自ら髪を 切ってしまい、息子達は左遷されてしまいました。 そんな中彼女自身が病に倒れ、藤原伊周に会いたいと願ったので、伊周は太宰 府に行かずに京にに戻ってしまい、彼女は息子に会って死ねましたが、その 息子は帝の怒りをより買ってしまいました。 更に、定子の初めてのお産に立ち会ったり助けたりも出来ませんでした。 最後が悲劇でしたが、それまでは順風満帆といってよい人生でした。 やはり、終わり良ければ・・・ではないけれど、最後が大切❓ 次に定子も、和歌の他にやはり漢籍にも通じ、また人柄も女房達の上に立っ て上手にまとめたり育てることが出来る人柄でもありました。 言うまでもないですが、父の死、兄と弟のどうしようもない不祥事に絶望 して髪を切ってしまいましたね。 道長からの執拗な嫌がらせは、道隆が生きていた頃からのものなので、これ もに怒ったり心を痛めたりしたことでしょう。 これも最後は不幸❓ でも、それでも一条帝からはずっと愛され続けたことを思えば、最後まで幸せ だったと言えるのではないかな。 お産で亡くなってしまったのは、何とも残念で仕方ありませんが。 (C)NHK 最後に紫式部にいこうと思います。 「紫式部日記」の中に、里に下がっていた時、宣孝が亡くなってからそのま まにしていた漢籍を取り出して何気なく見ていたら、女房達が、 「あなた様はそれだから幸薄いのです。 何だって女が漢籍を読むのですか。昔はお経を読むことすら避けたのに」 と言います。 こういった女房達の中には、式部が子供の頃からいた者もいたことでしょう。 乳母も生きていればいたでしょう。 つまり、いとと乙丸しかいないわけはない、と言いたい私。 式部は、 「そんな風に縁起を担いだって(幸せに)長生き出来ると限ったことではな いわ」 と言いたかったけれど、口には出さなかったと書いています。 宮中でも実家でも、自分の才をひけらかすようなことは努めてしないように していた、それが宮中で人付き合いをうまくいかせるのだ、実家ですら漢籍 については女房達の前ですら見ないのに、まして宮中では・・・と式部は 繰り返し、いや、しつこい程書いています。 で、式部は不幸だったのでしょうか。 (C)NHK 宣孝が亡くなってすぐから、式部に求婚してくる男性はいたようです。 歌集でわかるのですが、式部は(当然)断っています。 宣孝の一周忌が済んだ後、恐らく同じ男性が、 「忌みは明けましたか」 と、再び言い寄ってきましたが、式部はやはり断っています。 その男性に気が惹かれなかったのでしょうが、多分・・・それ以上に、宣孝 との結婚は2年弱だったのに、賢子が生まれてからは宣孝の訪れがほとんど ない状態でした。 そんな結婚生活であったなら、30歳近い当時としては中年といえる年齢で再 婚しても、あんな思いをするくらいなら・・・という気持ちもあったのかな、と。 これは、みことの考えなのであてにならないですけど。 批判的、悲観的、厭世的、これは当時は普通の考え方で、清少納言のような ネアカを外にも出している方が珍しいので、式部が特に、ということはない のですが、家の女房達は不幸だと思っていますが、式部自身はそれを認め るには自尊心の方が高かったようです。 確かに何度も「身の憂さ」つらい身の上を和歌にしていますが、同時に周り がなんと思おうと、自身のことは自分が見捨てられない、というようなこと も書いています。 それはそうですよね。 出家の願望についても、出家後お迎えが来る間に暇を感じたらどうしようと 思うと踏み切れない、と「日記」に書いています。 まだ現世の生活しか考えられないというか、家庭婦人で終わらず、宮中で職業 婦人として働いているだけに、身体も思考もまだまだ現実的なのでしょう。 多分式部は出家したのではないかと思いますが、案外迷っているうちに寿命 が来てしまったかもしれませんね。 不幸せと思いながらも、彰子に使える仕事に生き甲斐を見出している式部が いるように思います。 そして、それは人間として幸せなことだと思います。 いつもポチッと応援ありがとうございます🍀 にほんブログ村 にほんブログ村 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
November 11, 2024 11:03:54 AM
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