三日月の夜にはミルクティーを

少し前のこと。

愛用しているマニキュアが。
残り少なくなったので。

とあるデパートのディオールの売り場へ。

いろんなメーカーを試してみましたが。
ここのマニキュアが、私には一番塗りやすい。

で。

何年も前に巡りあった色が。
とっても気に入って。

ずっと、その色ばかりを使っておりました。

ところが。
その日訪れた売り場には。

私の求めているものが、ない。

おや？
近くにいた店員さんを呼び止めて。

「すいません。２９０番が欲しいんですけど。」
「…あ。青みがかったピンクのマニキュアですね。」

おおっ。
番号を言っただけで、色が分かりますか。

素晴らしい…と、しきりに感心していると。

「えーっと。そのシリーズはもう販売してないんです。」

うそ…。
私の知らない間に、世の中はそんなに変化していたのね。

がっくり…していた私に、店員さん。
よく似た色の新しいマニキュアを探してくださった。

あ、そうそう。
まさしくこの色ですわよ。

即、購入いたしました。

それにしても。
いくらメーカーの店員さんといっても。

あれだけの種類があるマニキュア。
しかも、もう販売していない、以前のもの。

番号を聞いただけで、色が想像できるなんて。

おそるべしディオール…ですわよ。