宿命 南風一
12月とは思えない陽射しを見ると
一日中
桃を植えたばかりの畑に寝転がってみたら
どんなに楽しいだろうと思う
一日中背中を土の上にくっ付けて
仰向けに寝ていたら
風が腹の上を吹き抜けて
風邪を引くかも知れないなあ
母が亡くなって
生きる理由というものは
確かに消えた気がする
何をしていても報告する人は誰もいない
誰かが待っていると時に急かされることもない
母は亡くなってしまったから
もう会いに行く必要もないし
待っていることもない
私の寿命はもう20年も持てば御の字だろうけれど
この寿命のレールから逃れることは出来ない
一日一日どんな風に暮らそうとも
一日一日が過ぎて
寿命の途絶える日は確実に近づいている
生まれてから何の真実の発見も発明も出来なかったけれど
ただ一旦生まれたからには
確実に死ぬという真実は実感できた
私が小さかった頃祖父や父は私を可愛がりそして
私が大人になる前にあるいは大人になってから
死んだ
そして私は私の祖父や父がそうであったように
小さな孫と遊ぶことが楽しい
やがて孫は大きくなり大人になっていく
そして私はジジとして死んでいく
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