成人の日 南風一
この1年は定年前の予行演習と思って
日々が過ぎて行く有り様を自覚的に感得しようと考えて
一日一日の初めにはこれから一日が始まると気を引き締め
寝床に就くときはさあ明日の一日に備えて早く眠ろうと一日を終えた
それを365回繰り返していたら
あっという間に春夏秋冬が過ぎて
正月を迎えていた
今また成人の日を迎えて
昨年の春 仕事の道筋にある予備校寮から出て行く女子たちの姿を見かけて
ああこれから1年の浪人生活は長いように思えても
あっという間に過ぎてしまうから
心配することはない
そんなことより若さゆえにリスクをものともせず立ち向かえる若者たちの勇気が
いつのときも新たな時代を切り開いてきた
そんなことを思い出して
予備校生女子たちが自転車に乗って颯爽と出て行く姿に
フレー フレーと応援したい気持ちになっていた
日々仕事に行く途中で見かけた姿は
年が変わって入試がもう直前に迫っている
一日一日を自覚的に生きていたつもりが
1年は本当にあっという間に過ぎ去っていた
定年まで10か月ばかりになって
一旦乗り込んでしまった舟からはもう逃れられないという心境になっている
刻一刻と足早に過ぎていく1日を
大切に迎え また送り出さなければと
愛おしく思っている
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