南風一の世界

　逃げるかのように　　南風一

働き方改革ということで
就業時間が終われば速やかに退社せよというのは
いいとしても
きみは就業時間が来れば
逃げるように会社を後にする

まるで
日中会ったときはにこやかな笑顔をしているくせに
終業後はそんな笑顔を見せるのが勿体ないかのように
あるいはもうこれ以上残っていたところでお金にならないから
私のようなおじさんや会社の嫌な束縛からさっさと逃げるが勝ちというかのように

きみは急ぎ足で会社を去っていく
まるで私から逃げるかのように
その先に何が待っているのだろうか？
家族との団らん？
家族の温もり

私はそんなものへなかなか近づけない

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