テーマ:☆詩を書きましょう☆(8464)
カテゴリ:詩
1年2か月ぶりの再会 南風一 今はもう現在の私の姿を見かけても 彼女は私であることが分からないだろう でもまだ高校卒業から1年2か月程度の無沙汰ならば 難なく私の姿を見て私と判別がついたものだった 今でもそうだろうけれど 地方都市に転勤してきた家族が東京に戻るのに合わせて 東京の大学に進学する子女というのは 昔もいたし、そして今もかなりいるのだろうと思う 私の高校3年間のうちにクラスメイトになった友人の中にも そういう転勤族の子女という友人が結構いた 彼女と私は高校2年生のときクラスが同じだった 彼女の名前は直子というありふれた名前だったけれど 両親が性格のまっすぐな子になるように祈ってつけた名前であることは 容易に理解できた その彼女の名前を思い出したのは 今日仕事で外回りをする機会があって 取引先の家を訪ねたときに、近所の家の表札に彼女と同じ姓を見つけて 「何か見覚えのある姓だな?」と引っかかるところがあって よく考えてみたら高校2年生のときのクラスメイトの彼女が同じ姓だったことに 思い至ったのだった その彼女には同じクラスメイトに通学のときいつも一緒に歩いている男子がいたので 特に当時から親しく話すということもなかった それにもかかわらず 私が一浪後に東京の大学に進学したとき5月に大学祭をやっていたとき 模擬店の準備をしていたとき 私の姿を見つけるや間違えることなく 「南風くん、お久しぶり!元気にしてた?」と私のところに駆け寄って来たのが 彼女だった 私がまぶしそうに声のする方向へ振り返ると そこに立っていたのが彼女だった 彼女は〇〇女子大に進学して軽音楽部のサークルに所属しているとのことだった 彼女のサークルも模擬店を出しているので ぜひ寄って欲しいということだった あいにく文化祭の一日目に私は自分のクラスの模擬店の手伝いをさぼって 学校を休んだ そして二日目は模擬店の手伝いに出た そしたら二日目の午後に彼女の方が私の処にやって来た 「南風くん、どうして私の処に来てくれないの? 私の方から来たわよ」と睨まれた そのときは「それじゃ、また」と軽い挨拶で別れたけれど その後、彼女と再開したことがない あれから45年が過ぎたけれど 彼女は何処で何をしているのだろう? もう私のことなど思い出すこともないのだろうと思う (詩集の宣伝) 「青春17切符+1」3月26日発売。 購入は、 こちらからどうぞ 詩が良かったと思う方は 人気blogランキング お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2024/07/18 09:54:35 PM
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