和楽会茶会@茶道会館(高田馬場)
初めて(茶道の)お茶会なるものに行ってきました今回のお茶会は、「東京・和楽会」主催のお茶会で、場所は、茶道会館(高田馬場)住宅街の奥にひっそりと、そこだけが異空間気温30度という暑さを感じさせない涼しげな空気が漂ってました~その敷地面積はかなりの広さで、庭園の中にはお茶室がいくつも点在していました今回のお茶席は5つ 【真ノ間】薄茶席 裏千家 宗信会 【龍 庵】薄茶席 表千家 睦美会 【溜 庵】薄茶席 宗徧流 荻野宗香 【山茶屋】薄茶席 裏千家 太田宗代 【立礼席】薄茶席 裏千家 藤木宗睦一度にいろんな流派の茶席を体験できるなんてラッキ~♪♪この日は、待ち時間なくスムーズにお茶席を回ることができました混んでいると、30分~1時間待ちは当たり前なんですってまずは、やはり裏千家から・・・・【真ノ間】裏千家の薄茶席へ10畳ほどの大広間でのお茶席でしたこちらのお茶席もそうでしたが、どのお茶席も“名残の時季”ならではのしつらえとなっていたのがとても興味深かったです10月は、風炉が終わり炉の季節へと移る“名残の月”なのだそうまず、初めて目にした“中置(なかおき)”というお点前この中置は、暑い季節から寒い季節へと移行する、秋も深まった10月頃独特のもので、“風炉を畳の中央に据えて”行うお点前だそうです「風炉」の季節は、左側(勝手側)の客側から遠い位置に風炉を据え、“火を遠ざけ”お客様が少しでも涼しくなるように、「炉」の季節は、右側(客側に近い所)に炉を切り、“火を近づけ”お客様が少しでも暖かくなるように、そして、「名残」の季節は、風炉を少し客側に寄せる(=中央に据える)ことで、“火を少しだけお客様へ近づける”という、なんとも心憎い演出です風炉から炉への移行期である10月だけのお点前となるのはそういうわけ風炉が中央にあるので、当然、水指の位置も変わってきます通常、風炉の右側に置きますが、中置のお点前では、風炉の左側に水指を置きますそのため、スペースを取らないよう、使用する水指も“細長いもの(細水指)”に変わりますいきなり、季節限定のお点前を見ることができて、感激でした(^O^)/さて、初めてといえば、「五行棚」も初対面この“五行”というのは、中国の“陰陽五行”思想からきているもので、風炉を入れたこの棚が、木・火・土・金・水(もっかどこんすい)の全てを備えひとつの宇宙をつくっていることから、そう呼ぶようです 【木】:棚板 【火】:炭 【土】:土風炉 【金】:釜 【水】:お湯(釜の中)つまり、木・火・土・金・水を成り立たせるためには、風炉は鉄などではなく“土風炉”でなくてはならないというわけですなんか奥が深いですね~五行棚は、第11代玄々斎好みの棚で、天板・地板が焼き杉で、竹の柱が3本3本柱はそれぞれ、左(=勝手側)が節3つ、右(=客側)が節2つ、中央(=向こう)が節1つとなっています風炉の中置用に好まれたもので、この季節ならではのお棚のようですお軸は、「秋空、一聲雁」軸に合わせて、お茶碗も、月と雁の絵が描かれた萩焼きの茶碗でした(秋のお茶会は“萩焼き”が多いみたい)お花は、籠花入れに秋の草花がたくさん生けられていました名残の月には、花も名残ということで、たくさんの種類の花を生けることが多いそうです香合は、宮家から拝領したものとかで、菊の紋が入っていました<主菓子/「里の秋」>“柿”を模したお饅頭<茶杓・棗>秋らしいススキの蒔絵でした茶席の人数もやや少なめだったのでお道具や床などもゆっくり拝見することができました続いても、裏千家のお茶席【立礼】へ・・・・・・裏千家の立礼といえば、言わずと知れた「御園棚」ですね~やはり、こちらの席も、名残の季節らしく様々な秋の草花が花入れに生けてありましたお軸は、「和を以て貴しと為す」聖徳太子の17条の憲法で有名ですが、利休四規の「和敬清寂」の「和」に通じることばですねお釜は「車軸釜」(初めて見ました!)二閑人の染付の水指見えない内側まで染付がほどこされていました棗は「春秋」紅葉と桜の蒔絵が対に描かれていて、正面を変えると春と秋のそれぞれに使うことができるんですね~お干菓子は2種お次は、3か所目の裏千家の茶席【山茶屋】へこちらは、趣向を変えて、茶箱点前でしたこちらのお席の見せ場は、何といっても風炉の中(こちらも中置)なんと藁灰(わらばい)ならぬ縄灰(なわばい)稲の藁を蒸し焼きにしてじっくりと炭化させた「藁灰」は、名残の季節に用いられることがよくあるそうですが、縄を炭化させた「縄灰」は初めてみた~と、同席の方々が皆一様に驚いていらっしゃいました<床飾り><主菓子>栗を模したものと“ふりだし”が出ました次はいよいよ別流派のお茶席へまずは、宗徧流の茶席【溜庵】へ武家茶道の流れを汲んでいるというこの流派のお点前は、やはり独特でしたね~中柱をたてて仕切った小間の茶室でした釣棚と風炉先窓も初めて見ましたこちらの流派では、お道具の拝見は、盆の上に載せてするのだそう茶杓などを直接、畳の上に置かないようにとの配慮とか琵琶の香合もステキでした~菓子は、どの茶席も、ほとんど「太一」さんのものでしたねさて、最後は表千家の茶席【龍庵】へ同じ千家でも、やはりお点前は違うんだな~と思いつつ一番記憶に残ったのは、主菓子(笑)大分は竹田市にある(有)川口自由堂の「荒城の月」<(有)川口自由堂HPより>メレンゲで包んだような、ふわっ&もちっとした食感と餡の甘さが、洋菓子のようで美味し~(●^o^●)<香合>リスの蒔絵が施してあって、リスだけに形もどんぐりみたいでした<茶杓と棗>桐?お茶碗などのお道具も立派なものが出ていたようです(私にはいまひとつわかりませんでしたが)お茶会って、お点前などお茶の基本を習った上で参加すると、楽しさが全然違いますよね~お点前や、所作、お道具など全てが勉強になります予習であり復習であり、席主と正客のやりとりなどは、普段のお稽古では学べません初めてのお茶会を十二分に満喫できて、8,000円のお茶席券で、十分に元はとったな~(笑)という感じ今回は、せっかくのお茶会だからと着物ででかけましたお茶会って、どんな着物で行ったらいいの~???やっぱり色無地?地味目の訪問着?と思いながらも今回は総柄の小紋でまた、機会があったら、どんどん参加してみたいなぁと思いました