外出禁止令 その後 2
今の日本の都市部の一部の人たちの行動や意識にかなり危機感を持っています。本当に、今が今後の感染状況を決める大切な時なのに、全く他人事。イタリアやスペインの感染者数が増えだしたとき、フランスもそんな感じでした。でも、もう20年も生活しているのでラテンの国民性を熟知しており、「絶対に広がる。間違いない」と非常に楽観視していたフランス人たちに言い続けていました。今ですか?「ほら、みたことか」ですよ。日本の人たちには外国で起こっていることにしか感じないのかもしれないけれど、まだイタリアやスペインほどいっていないにしても、既に感染が広がっている(例えばパリ)の医療機関は本当に戦争。マスクや保護衣だけでなく(病院や高齢者施設でですよ)ベッド、人工呼吸器、麻酔など何もかもないんですもん。死者を多数出している所なんて、なんと棺桶も初めての在庫切れ。葬儀屋さんももうお手上げ。ニューヨークの街中の映像も見ましたか?遺体が収容しきれなくて、遺体収容仮説テントを設置して。何より悲しいのは大切な人の葬儀にも出られないんですよ。昨日、肺がんを患っていたフランス人の友人が亡くなりましたが、誰もお別れに行けませんもんね。生きていても、志村けんのお兄さんが言っていた通り、感染して重症化したらもう誰も会えないんですよ。つい最近まで、どんなに「フランスが大好き〜」と言う日本人の友達にも「私はブレずに日本がいちばんで日本が大好き〜」と言ってきましたが・・・(もちろんそれは一生変わらないのですが)端から見ていて「日本国民、何をやっても批判、批判でうるさすぎ・・・フランス人よりクレーマーかも」と思うようになりました。フランスに『SNSが炎上』なんてものもないですからね。フランスは気持ちがいいぐらい突然国が有無を言わさず決めます。「えー!?それはないで…」というぐらい、そして笑いが出てしまうほど突然に。それに対して日本はいつも“やんわり感“があります。できれば、できれば…って感じですよね。もちろん、どちらも一長一短ありですが。「フランス全土の全てのレストラン、カフェを閉める」と発表があった3、4時間後から実施ですからね。すごいでしょ。多くのカフェ、レストランが冷蔵庫内の食材を前に青くなっていたそうですが、『お国のためなら』とちゃんと閉め、余った食材は安く近所の人に売ったり、あげたりしてましたよ。その後、外出禁止令が出てからはスーパーを含む食品・食材店、医療機関、薬局、銀行など、最低限必要なところ以外は全て閉鎖。もちろん、政府がある程度保証してくれる(と言っている)から従うんですけどね。飛行機も飛ばないから機内食関係で働いている友人たちも、靴屋や服屋、花屋にアクセサリーショップetc, みんな職なし状態に。でも政府が外出禁止令が解けるまで『部分的失業者』扱いでお給料の8割を保証してくれるとか。他にも家賃、光熱費など。「中小企業を倒産から守り、関連失業者も増やさぬように全力を尽くします」と大統領が演説していました。実際、どこからそんなお金を捻出するんだ??と思うけれど、それが本当にできるのなら素晴らしい。ここだけの話、私も8割もらって休ませてくれる方がいい(全く容赦なく授業数と同じだけ、ネットで授業をしています)日本も政府がそのぐらいビシッとやることはやり、言うことも言えるとイザというときは頼もしいんですけどね。東京、大阪が外国の大都市のようにならないことを心の底から祈っています。