|
カテゴリ:前世記憶
このところ不調で、病院を受診して血液検査やら超音波検査までしたのですが、結局原因不明。異常に発汗したりするのは男性の更年期障害の疑いもあると言われたものの、症状を見ると全然当てはまらまいし、よくわかりませんから、気にしないことにしました。
さて、続きです。 翌朝、ミズヤはミヤになりかわってオワリに留まり、イソタケルは、彼女にイセの巫女である姉のカグヤからもらった剣を、形見にと与えました。 ヤマトに向かって出発した一行は、海を渡ってからゆっくり進み、イブキの近くにさしかかった時、アサヒコは、イソタケルの髪と彼が父のハヤミ国王から与えられた剣を所望しました。 イソタケルがその剣を抜いて自分の髪を切り、剣とともに渡すと、彼はそれをイブキのヤマノカミの首領イノカミの元に持参し、東国への遠征時に渡海する船中で、イソタケルが伴ってきたオトタチバナ姫が、夫の身代わりとなってサイ王妃とミナカタ大臣の手の者に暗殺されたこと、イソタケルも、侍女のミズヤとともに昨夜暗殺されたので、暗殺者は自分が殺したと話しました。 そして、自分はイソタケル亡き今ヤマトには帰りたくないので、イソタケルの形見を差し上げるから、あなたの手柄とされたいと申し出たのです。 イノカミは、ミナカタから、イソタケル王子は、弟ハツセノミコを殺した上父のハヤミ国王をも亡き者にして国を乗っ取ろうとしている悪人である。 それでも剛勇無双であるから、アサヒコと協力して暗殺して欲しいと持ちかけられていたのでした。 しかし、正義漢であったイノカミは、豪遊無双との評判を聞いていたイソタケルがそのようなことをするとは思えませんでしたし、エミシとニギハヤヒの勇者たちと戦ってツクバまで進軍したのですから、彼の武勇は本物だと感心していたところだったのです。 アサヒコから真相を聞いたイノカミは、まず、ヤマト一の勇者を亡くしたことを嘆き悲しみました。 そして、サイ王妃とミナカタ大臣の仕打ちに激怒し、イブキの山の麓にある居館に残されたイソタケルの部下たちを迎えると、彼らに呼びかけたのです。 「英雄イソタケルを亡き者にしたサイ王妃とミナカタ大臣を許しておいてよいのか。今こそ主人の敵を討ち、ヤマトの正義を示す時だ。わが軍とともに、王妃と大臣を討とう。」 彼の呼びかけに、イソタケルの軍勢も意気を高めて賛同しましたから、彼らを無事ヤマトに帰すことができそうだと、隠れて様子を見ていたイソタケルとミヤは喜びました。 そしてイノカミは、軍を結集して秘密裏にかつ駆け足休まずに行軍を続けてヤマトに向かい、アサヒコに国王と極秘の面会を手配させました。 ハヤミ国王は、イブキの地で、独立した勢力を保っていたイノカミが、息子が連れて行ったはずの軍を引き連れてヤマトまでやってきたことにまず驚いていました。 そして、イノカミから、イソタケルの遺髪と彼が息子に与えた剣を渡され、まずオトタチバナが、それからイソタケルと侍女のミズヤがサイ王妃とミナカタ大臣の手の者に殺されたことを知らされ、イソタケルの部下たちから、オトタチバナがサイ王妃の命を受けたワニに殺されたという証言も聞かされました。 そして、イノカミから、ヤマト一の勇者を亡き者にしたサイ王妃とミナカタ大臣に、わが軍とイソタケルが残した軍で、仇を打ちたいとの申し出を受けると、ハヤミ国王も息子を不憫に思い、二人を討つことに同意しました。 そこでイノカミの軍勢は、休むことなくハヤミ国王の軍勢を加えてサイ王妃とミナカタ大臣の元を急襲しました。 陰謀が露見したサイ王妃とミナカタ大臣は、イノカミとハヤミ国王の軍勢に囲まれるや、館に火を放って自害したのでした。
アサヒコは、自分はサイ王妃の従兄弟であり、彼女とミナカタ大臣の陰謀に加担した罪があり、イソタケルのいないヤマトには留まりたくないからどこかに追放してくれと国王に申し出ました。 ハヤミ国王は、追放はしないが、彼が自由にどこかに行くことには同意しましたから、イノカミが、自分の力の及ぶタンゴのカヤに彼を送り届け、不自由なく暮らせるように手配してくれました。 その際、イブキのイノカミの本拠に留まっていたイソタケルとミヤが、彼の身の回りの世話をする下人の夫婦として、質素な身なりで同行したのです。
ミズヤも、イソタケルとともに襲われて死んだことになっていましたから、オワリに残ってミヤに成り代わったミズヤには、ミヤの髪の毛と、彼女がオワリから持っていった品々が届けられていました。 オワリノカミは、娘から、何かあればミズヤを自分の代わりにするように言われて戸惑っていましたが、事情を察して、対外的にはイソタケルと侍女が殺されたと発表し、二人の遺髪を葬った墓をオワリに築きました。 ミヤのもくろみどおりミズヤはミヤによく似ていましたし、彼女はミヤから全てを託されて、いろいろなことを教え込まれていましたから、オワリノカミは、彼女をミヤとして後継者に迎えることにしました。 しかし、オワリノカミは、ミヤとミズヤの呼び名を間違えて、彼女をミヤズと呼ぶことが多くなり、何時しかミヤではなくミヤズが本名のようになってしまいました。 そして、ミヤズになったミズヤは、オワリ一の豪族の息子を夫にしてオワリノカミの後を継いだのです。
ヤマトに残っていたイソタケルの第一妃で、オトヒメの姉のエヒメと二人の王子は、偽りの真相を聞いた後オワリを訪れ、その墓を見て涙を流して嘆き悲しみましたが、ハヤミ国王は、イソタケルの息子である弟王子の孫のミトシを皇太子に指名しました。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
Oct 3, 2019 09:14:10 PM
コメント(0) | コメントを書く
[前世記憶] カテゴリの最新記事
|
|