まいじー日記

ネットフリックスで借りた「クレイグスリストの24時間」っていう映画のDVDを観る。

クレイグスリストっていうのは、サンフランシスコ在住のクレイグさんが始めたオンライン・クラシファイド（「売ります」「買います」「求人」「貸し家」「パートナー募集」「仲間募集」・・などの広告掲示板）で、今では月に何億っていうページビュー、全米各地の300都市まで拡大してるらしい。
クレイグスリスト
クレイグスリストについて（日本語）

サンフランシスコ・ベイエリアでは、欲しいものがあったらまずクレイグスリストで探す、というくらい利用度が高い。何を隠そう、私たちが今住んでる貸家も、こないだ事故った私の車も、まだ元気な相棒の車も、私のウェディングドレスも、ぜーんぶクレイグスリストで探したのだ。今まで何回かの引越し時にもいらない家具や本、古いスノボ一式を売ったりでお世話になったし、求職中はクレイグスリストの求人情報を毎日チェック。地元の会社ではクレイグスリストにしか求人載せないところもあったりするので。

うちの相棒と友人エリックにいたっては、ほとんどクレイグスリスト中毒っていってもいいくらい、クレイグスリストのチェックを日課にしている。何をチェックするかというと、もちろん自転車。「売ります」コーナーの自転車関連の広告の中から、自分が探してるもの、または「おいしいディール」つまりマーケットプライスよりも安く売りに出されているものを探すのだ。みつけたものは、しばらく置いておくか、他のものと組み合わせるか、ばらすかして、またクレイグスリストかイーベイで転売。安く買って高く売る。自分が売り買いしてるもののことをよーく知ってないとできない技だ。

相棒によれば、買うのはクレイグスリスト、売るのは（小さい部品なら）イーベイがいいらしい。クレイグスリストは売主がさっさと売りたい場合低めの値段をつけることが多いし、自分が売るもののほんとの価値を知らないことも多いから、掘り出し物が多いんだそう。イーベイはその点よく知ってる人が値段をつけてくるので、最終的に適正価格に落ち着きやすいらしい。

クレイグスリストのいいところは、地域型ってところ。例えばなんか買うのでも、広告見て、売主に連絡とって、実際に会って実物を見せてもらえるので、安心。自分が売るときでも、送料とか気にしなくていいし。あと当然、無料！！なのもすばらしい。クレイグスリストは求人情報を出す企業からしかお金をとらないので、個人利用者にはぜんぶ無料なのです。

他におもしろいのは「パートナー募集」で、女性パートナーを探してる男性、男性パートナーを探してる女性のためのリストの他、女性を探してる女性、男性を探してる男性のためのものもあるのが、サンフランシスコ風。

で、映画だけど、ある夏の1日にクレイグスリストの「売買」「求人」「パートナー募集」「イベント募集」の広告を出したり広告主に連絡してきたりした人たちをランダムにとりあげたドキュメンタリー。

最初は「ベビーカー売ります」「モーターボート売ります」みたいなふつうの（子ども1人しかいない夫婦が6台ベビーカー持ってるのがふつうといえるなら）広告についてだったんだけど、だんだん「ミュージシャン求人」（女装バンドのギタリスト募集）のあたりからなんか「いわゆるいかにもサンフランシスコ」っぽくなってきて、最後には「乱交パーティ参加者募集」みたいな超・怪しげな広告を出した危なそうなおじさんが出てきたりした。

まあランダムというか、あまりに筋がないというか、映画そのものより、スペシャル・フィーチャーの「メイキング」とか「クレイグさん＆クレイグスリストスタッフへのインタビュー」の方がおもしろかった。

映画の中でもいろんな人がいってたけど、クレイグさんってあんまりメディアに出てこないし（最近「デイリー・ショウ」に出てたみたいだけど）顔の見えない存在なのに、彼のリストはこんなに多くの人の生活に関わってて、なんかすごく不思議な存在なんだよね。

もちろんヤフーは「ジェリーのリスト」、グーグルも「セルゲイとラリーの検索エンジン」だったわけなんだけど、それぞれ今は他のいろんなエリアに手を広げ、何千人規模の会社に成長して、名前も固有名詞がついてるのに対し、クレイグのリストはまだ10数人で細々と運営してるクレイグのリストのままなんだよね（どれだけお金を儲けているかは別として）。それってすごく不思議ですごいことだと思う。