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まいじー日記

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2019.01.12
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カテゴリ:アメリカ日常生活


たまにはママにも休日が必要です!ということで、いつもは私が担当してる土曜のピコちん習い事ハシゴの送迎(バスケ→日本語教室→公園→スイミング)を相棒に任せ、今日は私の完全オフ日。ここのところ相棒の出張などでワンオペ日数が蓄積してたしね。

休日ワクワク、何しようかなー、サンフランシスコまで行って美術館巡りしようかな?巨大モール行ってショッピング三昧?コリアンスパでリラックスもいいかなー?とかいろいろ考えてたんだけど、ゆっくり朝寝してたら遠出する時間もなくなったので、とりあえずダウンタウンサンノゼに来てみた。

いつもピコちんのお供でテックミュージアムクリスマス・イン・ザ・パークに来るくらいだけど、ダウンタウンにはサンノゼ美術館やテキスタイル美術館もあるのよね。ウェブサイトで今日の展示を見比べてみて、今日は美術館(ミュージアム・オブ・アート)の方に決定。

今日は常設展示はないみたいで、2つの特別展をやっていて、それがどっちもよかった。

1階のギャラリーにあったのは、「歩く」をテーマにした企画展。

街を歩きながら目に入る風景を撮影した動画、街ゆく人々のスニーカー内側の石膏型取り(ブラジルでは貧富の差が激しすぎてデザイナースニーカーをターゲットにした強盗が多発してるという問題提議)、サンフランシスコ市内でSNSで出会った他人を尾行して歩いた道筋をマップしてネオンアートで現した作品、手押し車に植えた木を延々と押しながら歩く行動型アート、徒歩旅行のあちこちで描いたスケッチブック、、、

アーティストも表現もメディアも多種多様な、「歩く」だけが共通テーマのアート作品の数々がとてもおもしろかった。歩くってものすごく身近で日常的なことだから、それだけにアーティストがそれぞれの視点で切り抜いて見せる「歩くこと」が、肉体的な実感を伴いつつも新鮮で、作品群から迫ってくるものを感じた。

特に目からウロコ的におもしろかったのは、偶然の産物なんだけど「サフラジェット・シティ」という行動型アートの作品。

私が最初に見たところ


私はこれってマラソンとかデモ行進とかで沿道の観客たちがハイタッチして応援するところを表現したアートだと思ったんだよね。

でも実は、この手はただの什器だったの!展示作品を支えるためのフィクスチャー。

展示作品の中に、女性解放をテーマにした「サフラジェットシティ」というデモ行進(行動アート)用のコスチュームや看板系(女性の衣装を象徴化した幟やスローガンを織り込んだキルトなど)があったんだけど、ちょうど私が美術館に行った時はそのデモ行進が真っ最中で、一時的に展示が空になってたの。この手は幟を持ってるただの什器だったんです。

作品が戻ってきたところ


まーただの私が抜けてたって話ではあるんだけど、でも美術館のキュレーターってすごいなって思っちゃった。什器だけでも観る人に表現を伝えられちゃうんだね。アートは観る人の中にあるというか。ちょうどその場にキュレーターさんがいたので驚きをお伝えしてしまった。そういえばそうね!みたいな反応だった。

2階のギャラリーではベトナム人アーティストDinh Q. Leの「True Journey is Return」展をやっていた。この展示もすごくよくて、なんかね、久しぶりにアートに衝撃を受けた。



Dinh Q. Leさんはベトナム戦争とベトナム人の離散、失われた記憶、戦後の再生、ベトナム人のアイデンティティといった要素をテーマにした作品をつくるアーティストで、裁断した写真で編む「フォト・ウィービング」作品(ベトナム伝統工芸の籠細工を表現してるそう)が一番知られているらしい。

今回の展示の目玉ともいえるのは「Crossing the Farther Shore」という2014年制作のインスタレーション。

Dinh Q. Leが何年もかかって集めた、ベトナム戦争前の日常を写したたくさんの写真(誰かの家族写真、旅行の風景、イベントの記念写真、日常の写真)をつないで蚊帳(ベトナム難民は難民キャンプや避難中に蚊帳の下で眠った)のフレームに吊った、繊細な立方体が7つ。白黒写真の裏にはテキサスのベトナム人コミュニティによる手で詩や文章が書かれ、外表と中表の写真がランダムに間隔をあけてつながれている。

隙間から立方体の中を覗き込むと、その空間を囲む失われた記憶の量に圧倒される。本当なら家族のアルバムに収められているはずのたくさんの写真は、戦争で離散したのか、亡くなったのか、きっと今はもういない人たちの日常の記録。写真に残った人々の思いに閉じ込められて動けなくなるような感覚。

初出ギャラリーの作品紹介(英語)





その隣の部屋にあった「Light and Belief: Sketches of Life from the Vietnam War (光と信念:ベトナム戦争の日々のスケッチ)」という作品も圧倒的だった。Dinh Q. Leによるベトナム戦争従軍画家たちへのインタビュー映像と、従軍画家たちによる戦場の日々のドローイング作品群。

従軍画家という存在がまず私には驚きだったんだけど(後で調べたら日本でも太平洋戦争に軍によって派遣された従軍画家が何人もいたんですね)、ベトナム戦争ではたくさんのアーティストが従軍画家として、または一般の兵士として従軍しつつ絵を描いていたんだそうです。

カリスマ指導者のホー・チ・ミン自身、美術への造詣も深く(ピカソと親交があったとか)「Artists are also soldiers, soldiers on the culture front(アーティストも兵士だ、文化の前線で戦う兵士だ)」というメッセージ(立場によってはプロパガンダ)を発信したことで、アーティストたちもこぞって活動したとのこと。

インタビューに登場する元従軍画家たちが熱く語るいくつものエピソード。肖像を描いてもらって喜ぶ兵士たちと、数ヶ月後にその肖像画を手掛かりに死者の身元確認をする画家。戦争中だからこそ美しいものを描いて欲しいと画家を朝焼けの浜辺に案内した女性の、息子たちは全員その浜辺から出征して戦死していたり。

映像を最初から最後まで観てから(初めは途中から観たのでまた最初から最後まで通しで観直した)、壁にかけられているドローイングの数々を観ていく。

軍事行動中の兵士や兵器の手入れをする兵士の姿も描かれているけれど、同僚と焚き火を囲んで談笑する兵士たち、村の女性たち、ハンモックでの休憩、厨房や病院の様子、村の風景など、何気ない平和な風景を写した絵もたくさん。戦争っていう熾烈な環境の中でも、スケッチに描かれてる人たちと描いた人たちの全員が、人として実在して、生活して、それぞれの思いを持っていた、、っていうのがしみじみと感じられた。

森美術館ブログの作品紹介(日本語)
Art ItのDinh Q. Leインタビュー(日本語)





こんなに揺すぶられるアート体験はほんとに久しぶり。今日この美術館に来てよかった!!帰りにロビーでまたキュレーターさんの1人にお会いしたのでDinh Q. Le展の衝撃についても熱く語ってしまった。キュレーターさんがいろいろお話ししてくれる美術館っていいよね。

美術館の後は、サンペドロスクエアマーケットに行って遅い昼ご飯兼早めの夕食。シーフードボイルとシュリンプルーイーサラダ!満足!

サンノゼダウンタウンにはあちこちにシェア型の電動スクーターがあるので、乗ろうかと思ってアプリまでダウンロードしたんだけど、結局乗らなかった。まあ歩いても大したことない距離だったしね。

スクーターシェアリングはサンフランシスコ市内では邪魔にされてるみたいだけど、サンフランシスコほど車も人も多くないサンノゼダウンタウンにはかなりぴったりの乗り物だと思う。一方通行とか渋滞とかないから決まりの通りに車道を走っても命の危険を感じないし、歩道が広くて歩行者もそんなにいないから歩道を走ってもそこまで危なくないし。

というかそんなことを思わせるほどガランとしてるのがサンノゼダウンタウンの問題なわけだけど。土曜の午後なんてプライムタイムなのにこの閑古鳥具合はやっぱりちょっとさみしいよねえ。。












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最終更新日  2019.02.06 17:18:30
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