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カテゴリ:詩・文芸
ノンフィクション「帰りたくない 少女沖縄連れ去り事件」河合香織(新潮文庫)をよんだ。 非常に切ない。これが現実だと思うとさらに目の前が暗くなる。 親がどんな風に思っていたとしても、子どもは盲目的に親を求める。 親が子どもから逃げていれば、その子が親になったときに自分の子どもから逃げる。 その連鎖が虐待という形で表れ、その環境で育った子は社会にとけ込めず、いじめまで受ける。 連鎖の中で母親が心を病んでいく姿はみていられない。 子どものその後もいい方向に進んでいくとは思えず、やりきれない。 少なくとも「宮内」という男は罰せられるべきだが、罰する過程で被害者が苦痛を被ることを考えると、これ以上の苦痛を強いるべきだとはとてもいえない。 何も解決していないし、どうすれば解決するのかも見えない。 まさにこれが現実なのだろう。 長年知りたかったことにすべて答えてくれた作品。 答えを知れば、さらにわからなくなる。 秀逸なノンフィクションだと思う。 写真はまったく関係のないオスプレイ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2013/02/04 04:22:20 AM
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