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カテゴリ:詩・文芸
りりっく★あとらす 第6回放送 2013.8.14 19:30~ FMなんじょう(77.2メガヘルツ) サイマルラジオあり ★詩の地図 -茨木のり子- 「わたしが一番きれいだったとき」 多くの国語教科書に取り上げられ、最も有名な詩の一つ。 茨木のり子は10代の後半、最も多感な時期を戦争に奪われる。 米軍機から落とされる爆弾で建物は崩れ、見えるはずのない場所から青空が見える東京。 そこで過ごした自身の10代は、おしゃれのきっかけをどこかに落とし、誰も素敵な贈り物をくれることもなく、自分の意見を持つこともはばかられる世の中で、心はかたくなになっていった。 学問に向き合うこともできず、毎日のように塹壕堀りにかり出された。 それが終戦した途端、若いエネルギーの全てを費やした戦争が、間違っていたのだ、ということになった。 詩の最後にルオーが出てくる。 年を取ってから美しい絵を描いた画家。 平和への祈りや苦しむ者たちへの愛に満ちた作品も残している。 失った若さについての恨みにとどまらず、それを糧に内面の美しさを勝ち取っていこう、豊かな戦後を作り出していこうという同世代の人々に対するメッセージがこもっている。 アメリカではベトナム戦争に反対する平和運動が盛り上がる中、フォーク歌手のピート・シーガーがこの詩に曲をつけて歌った。 国境を越えて人々の心を打つ、力強さを持った詩。 「依りかからず」も紹介。 朗読はキューリユキコ。 ★詩人に聞く -松永朋哉- 第26回山之口貘賞を詩集「月夜の子守唄」で受けた松永へのインタビュー。 ★イクメン・ポエム -おおしろ建「三十五週目の会話 まだ見ぬ子へ」- 生まれてくる子どもに語りかける、優しさにあふれた作品。 母親にとって、お腹の子は中から蹴ったりたたいたり、ぐるりと一回転したりとアクティブなものだ。 しかし父親にとっては超音波エコーの写真で見る骨の姿が、まだ見ぬ我が子の息吹を感じる、数少ない手がかり。 〈おまえは完璧な骨を持っている すてきな胎児〉という言葉が印象的。 ★曲 FLiP「カートニアゴ」 MALICE MIZER「追憶の欠片」 放送は毎週水曜、午後7時半。 再放送は2回。毎週土曜の昼12時半、翌週月曜の午後7時半。 ぜひに。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2013/09/16 01:46:37 AM
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