作品は生きています。
は~い,きんびーです。澤渡(さわど)さ~ん。「げんいば」(第7回現代茨城作家美術展)の準備は順調に進んでますか?ここしばらくはお天気にも恵まれて,良かった~(寒かったけど)。今日は作品の搬入も無事終って,展示室の展示作業もまずは順調でした!「お天気にも恵まれ」って,天気は関係あるの?あ,実はね,展覧会をやる上でお天気って結構大事なんだよ。なんでぇ,美術館の外には展示しないでしょう?前にも説明したけど,「げんいば」は100人の作家さんがそれぞれ作品を持っていて,それを美術館に持ってくるでしょう。だから,個人のお家やアトリエから作品を出す時に,雨や雪が降っていると,作品を濡らさずに車に積むのがとっても大変な作業になっちゃうのね。美術館に到着してしまえば,車ごと屋内の搬入スペースに入れることができるから大丈夫なんだけれど。そういうことかぁ。それじゃ,作家さんたちや作品にとっては,ここしばらく雨や雪がないのはいいことなんだね。うーん,それが,必ずしも雨や雪がずっと降らなければ良いというわけでもないところが,難しいところで・・・。え~,なんで?雨や雪が降らないと,空気が乾燥するから。日本画や漆の作品なんかは,乾燥しすぎるとひび割れたりすることもあるからねぇ。でも,湿気が多すぎるとカビやシミの原因になるし,温度や湿度が急に上がったり下がったりするのも作品にとっては負担になるので(環境の変化にびっくりしちゃうというか・・・),なかなか難しいんですヨ・・・。へ~,なんだか,季節の変わり目に調子を崩しちゃう人間みたい・・・。美術作品って生きものみたいだね。そうだね。どんなに大事に保管していても,色が変わったり,ヒビが入ったりすることを完全に防ぐことは難しくて,少しずつ痛んでいくところも,生きものみたいかもね。シミやシワ,ひび割れに注意っていうのも,まるで人間のお肌みたいでしょ?へ~,それじゃ,近代美術館が所蔵している3千点超の作品も管理が大変だね。だから,美術館には,作品の変化や劣化をできるだけ抑えられるように,温度と湿度を一定に保った収蔵庫という作品専用の倉庫があるのです。え~,どこにあるの。それはね,美術館の外からはどこにあるのかわからない場所なんだ。外の天気の影響を受けないように収蔵庫には窓はないし,出入口も建物の中で,しかも出入口の前には前室があって,外の空気が直接入らないように工夫されているんだ。うわぁ,ミュージくん,さすがに詳しいね。収蔵庫は,銀行でいえば大きな金庫みたいなものって考えれば分かりやすいかな?単に金庫というだけではなくて,24時間,夏も冬も温度は22℃,湿度は55%前後を保っていて,空気もとても綺麗な状態をキープしているんだよ。美術館の中で,一番快適な空間といえるかも(作品サマ最優先で,人間は二の次です。事務室は暑くて寒いですよ、ええ・・・。)。ミュージくんもその体型を維持するのには温度や湿度が大切でしょ。そうそう,夏はベタ~と伸びちゃうし,冬はカチカチに・・・って,澤渡(さわど)さ~ん,ぼくは大丈夫だよ。それじゃ,展示室の温度や湿度も調整しているの?もちろん!お客さまも入っていらっしゃるし,外気も流れ込んでくるから,収蔵庫ほどきちんと維持するのは難しいけど,作品を展示している間は温度や湿度が変わらないように細心の注意を払っているんだよ。それじゃ,お客さまがたくさんいらしてるときは調整が大変だね。展示室の温度が上がるほどお客様がいっぱい来て下されば,それはとっても嬉しいことだけどね~。そういう時は,温度や湿度を調整する機械がしっかり働いてくれているハズ(学芸員は「空調よ頑張れ~」とひたすら念を送ります・・・)。あれ,今日はラッキーちゃんは姿を見せないねぇ。空気が乾燥しているから,外に出たくないんだってさ!えっ,どうしてお肌が気になるんだって・・・!澤渡(さわど)さ~ん,それってどう思います?冬場の乾燥はお肌の大敵だからね!(私もその気持ち,よくわかります・・・)。そっ,そうだよね! (そのカンソウ,わかりやすいです。) (C)momaibk