あれから一年 ~das Wiedersehen~
一年前の今頃、私のスイスでの一番の友達がスイスからアメリカに引っ越した。心にぽっかり穴が開いたようだった。いまだに電車で彼女の住んでいた町の駅を通り過ぎると、センチになることもある。あれから一年、彼女と再会する機会に恵まれた。よくふたりでブラブラしたチューリッヒでの待ち合わせ。一年ぶりの再会を喜んだ後は、この一年も頻繁に会っていたような感覚に陥り、彼女が今もここに住んでいて、いつものように待ち合わせしただけのような、なにもかもが当たり前のような居心地のよさを感じた。確かに一年は過ぎた。彼女はあれからアメリカで自分の世界を作り、私もここスイスでそれなりに頑張ってきた。ふたりでスイスでの苦悩を語っていたあの頃がなつかしくも感じる。そして再認識する。あのツラカッタ頃、彼女がそばにいてくれて、私の思いをうんうん聞いてくれ、だから頑張ってこれたんだって。そして、明らかにあの頃より堂々とした私達ふたりがいる。今回は旦那さんのヨーロッパ出張で、スイスへの里帰りがかなり短期間だが実現した。あとで合流した旦那さんが言った。「かなりハードスケジュールの中、君と会うのが彼女にとって一番大事なことだった。」と。それを聞いて、とてもとてもうれしかった。たくさん話して、たくさん笑った。楽しい時間はあっという間に過ぎ、彼らに見送られて電車に乗った。ウルウル来るけど、なんか来週もまたここで会えそうな不思議な感じもした。それはまーないのだけど、きっとまた近いうちに会えるだろうという確信もなぜかあった。あれから正直、スイスに長年滞在しない予定の人との出会いはこわかった。またいい関係を築けた誰かと、さよならしなくちゃいけなくなるかもなんて・・・と。でも今はそう思わない。心が通い合える人とは、どこにいたって通い合えるし、会いたいと思ったら、会いに行けばいいだけ、そう思うから。近くにいても、心の通わないこともある。遠くにいて、ちっとも会えなくても、心が通い合える人もいる。そういう存在がいてくれることに感謝したい、そして、また会える日まで、ここスイスで頑張ろうと思えた、いい再会だった。Wir sehen uns bald wieder, gäll ?