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湯花未央

湯花未央

2014.05.03
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カテゴリ:読書
橋本治著『「わからない」という方法』を読了しました。

目次を書き出しますね。

--

<目次>

第一章 「わからない」は根性である

第二章 「わからない」という方法

第三章 なんにも知らないバカはこんなことをする

第四章 知性する身体

--

興味を持った点を、まとめます。

--

1「わからない」は、方法となるのか?

(1)「自分は、どうわからないか?」
   ↓
 「わかる」に至るための方向
 その方向に進むことだけが「わからない」の迷路を切り抜ける「方法」

(2)「わからない」という恥
   +
 「正解がある」は二十世紀病
 「自分の知らない正解が、どこかにあるはず」
   ↓
 二十一世紀は「わからない」の時代
「なんでもかんでも一挙に解決してくれる、便利な"正解"」は、幻想の中にしか存在しない

(3)「わかる」とは、納得することである

わかって行くプロセス=「我が身を納得させる期間」


2 脳と身体の関係

(1)脳は哀れな中間管理職

脳は、「世間」という上司に振り回されている。
「身体」という部下を持つ。

(2)脳は、部下達をあまり信用していない

<脳(中間管理職)から見た、身体(部下)の印象>

・状況を把握していない
・のろま
・頭は悪いし、すぐにさぼる

<身体(部下)から見た、脳(中間管理職)の印象>

・部下達を顧みない
・「世間」という、さらなる上司の顔色をうかがってばかりいる「最悪のやつ」

脳(中間管理職)は、「身体論」という、はやりのハウツー本には目を通すが、肝心の「部下の心」は目に入らない
 ↓
「おめーなんかが出世したら、世の中終わりだよ」と、身体(部下)は脳(中間管理職)の悪口を言う
 ↓
体がだるい
疲れやすい
効率が上がらない
将来の展望が見えない
将来の展望がもてない


3「説明」は、作家の基本である

(1)「説明なんか、めんどくさい」

作家というものを、「書きたいことを勝手に書いていればいい人間」だとしか思っていなかった

(2)知らない人は、どこまでも知らない

「作家」というのは、「文章で、人になにかを説明する職業」なのだから、「語るべきことを相手の理解に届くように語る」は、作家の基本


4 天を行く方法と、地を這う方法

(1)天を行く方法

「なんにもわかんないもんね」のまま、正面から強行突破を果たす
 ↓
「バカになって、やる」

(2)地を這う方法

「わかんない、全然わかんない」とぼやきながら、ひたすら持久力だけで問題を解決する
 ↓
「地図をなくしたから、磁石だけを頼りに、ひたすらトンネルを掘り続ける」
 ↓
「バカだから、そうするしかない」というところまで、追いつめられる


5「忘れることが、最大の記憶法である」

人間の身体は、「そんなものを取り込む必要はない」と思ったら、どんなものでも入らない。

「入れる」ということは、「その情報を入れてもいい」と、身体が納得すること
 ↓
「"わかる"は納得であり、納得するためには、時間がかかる」
入ったものは、「忘れた」という形で、身体にキープされる

結論:身体が「頭がいい」

--

書き出した点を踏まえて、説明しますね。

 ※

私は、わからないことがあると、文章を書きます。

最近では、ノートに書き出すことが多いです。

「わかりきったことを書く」のではなくて、「わからないことが何なのか、はっきりさせるために書く」です。

私にとって、「文章を書く」ことは「確認テスト」のようなものです。

書いている間に、知らないことや、気がつかなかったことが、出てきます。

知らないことは、調べます。
気がつかなかったことは、改めて考えます。

「わからない」を続けるためには、根気が必要です。

インターネットで検索したり、誰かに教えてもらったりして、「わかった!」と、すぐに納得できたら、どんなにか、気が楽でしょう。

しかし、私は「納得するまで、情報を受け入れられない」ようなのです。

理由は単純明快で、「頭が悪いから」です。

私は、年号や地名、人名といった、丸暗記が苦手です。

「暗記が苦手なのに、歴史が好きなの?」と驚かれる方も、いらっしゃるかもしれませんね。

私が歴史を読む時は、ストーリー仕立てのパターン認識を行っています。

細かい検証が必要な時は、ノートに書き出します。

私の脳が、「これは重要なことなんだ!」と叫んでも、身体が「受け付けない」と考えれば、辻褄は合います。

何度も同じ人名を書けば、そのうち覚えます。
地名や年号に関しても、同じです。

私が、物事を覚えるまでの時間は、「我が身を納得させるための期間」です。

私の場合は、少なくとも、人の3~4倍の労力を費やさないと、物事を覚えることができません。

その間、ひたすら「わからない」を繰り返します。

橋本さんの表現を借りれば、「地を這う方法」です。

周囲の人達が、「あの人は、いつになったら覚えるのだろうか?」と思うくらい、「わからない」を繰り返します。

私の中で「こっちへ行けばいい」という方向は、決まっています。
ただし、一つずつ確認して実行するため、非常に手間がかかる方法です。

要領を良くするための方法を、考えたこともあります。

けれども、「無駄を省いたところで、物事を覚えるまでの時間が、短縮されるわけではない」と気づきました。

結局、「すぐには役に立たないだろうなあ」と思いつつ、気長に続けます。

「説明が面倒」でも、自分を納得させるために、文章を書きます。
私自身のことですから、納得しなければ、先に進めません。

「自分に対して、説明する」というのは、おかしな表現かもしれません。

しかし、最初の読者が、他ならぬ「私」であることを考えれば、理解しやすいと思います。

文章を書く「私」と、文章を読む「私」。

どちらが欠けても、書くことが成り立たないのです。


【参考文献】

橋本治著『「わからない」という方法』(集英社新書)
 集英社 2001年4月22日 第1刷 発行

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最終更新日  2014.05.03 18:08:29
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