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2009/07/21
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カテゴリ:ワインプローベ
先日来ドイツのワイン業界でどちらかと言えば不快な話題となっている、ゴー・ミヨとそれに対立を表明した醸造所のその後だが、17日にゴー・ミヨドイツワインガイドの編集責任者ジョエル・ペインと出版社の企画部代表、それと14醸造所を代表してヘイマン・レーヴェンシュタイン醸造所のラインハルト・レーヴェンシュタインが会談した。その結果は以下の通り。

1. 醸造所側としては、ワインガイドの評価が買収可能ととられかねない表現がゴー・ミヨからあったことを遺憾に思う。ゴー・ミヨはそれに対し、評価を買収可能なことはありえなず、そうした誤解を招きかねない発言がゴー・ミヨ関係者からあったことを遺憾に思うと表明。

2. ジョエル・ペインは今後試飲は審査の公平性を確保するため、醸造所および生産者立ち会いのもとでは行わないことを約束。アーミン・ディールは今後一切試飲および評価にはかかわらない。醸造所評価の指標である葡萄の房の数の付与についても、評価基準を明確にする。個々の醸造所の解説の改訂については2011年版以降の課題とするが、個々のワインの評価を得点から言葉による表現にする予定はない。現在最も問題となっているのは醸造所評価の房の数であり、多くの醸造所は文学や前衛芸術と同様に、文化の一部であるワインを、学校の通信簿のように評価することは出来ないと考えている。一方で出版社と編集部としては、こうした構成は読者に有益な指針となると考えていることの他にも、採点制度は国際的に定評のあるゴー・ミヨの各種ガイドの前提条件であり、版権を持つフランス側の同意無しに独自の判断で変更することは出来ない。しかしながら、房の付与の基準に関して議論をする用意はあることを表明。

3. 出版社は今一度明確に、『申請料』は『マーケティングキット』の予約であり必ずしも支払う必要はないこと、支払ったかどうかは醸造所とワインの評価に全く影響しないことを約束。誤解を招く表現があったことに遺憾の意を表明したが、このシステムを取り下げるつもりはないこと、来年以降の方策について生産者と話し合う用意があることを明らかにした。

4. 三者は今後も話し合いを継続することで合意。秋以降にゴー・ミヨのサイトにフォーラムを開設、ガイドブックの評価の内容についても議論の場を設ける予定。

昨日20日の時点ではこれで一旦和解が成立したかに見え、ラインハルト・レーヴェンシュタインが当初の目的を達成したことから、批判声明に署名した14醸造所も試飲サンプルをゴー・ミヨに提出するとの談話をケルナー・シュタットアンツァイガー紙にしたという情報が流れたが、その後撤回された。ジョエル・ペインがワインジャーナリスト、マリオ・ショイアーマンに「生産者にガイドブック編集に口出しさせるつもりは全く無い。編集責任者としてあくまでも独自の立場を貫く」と語ったことも一因とみられる。翌21日レーヴェンシュタインはSWRに改めて闘争はまだ終わっていないことを表明。その際批判の矛先はディールにあったのではないこと、ワインの試飲は主観的なものである以上、試飲する担当者によって異なる評価が出るのは当然、としている。

成り行きを見ていると、ゴー・ミヨの権威を煙たく思う醸造所が増えてきているようだ。最初に批判を表明した14醸造所の大半はガイドブックの評価にもはや左右される心配のない大御所であり、ゴー・ミヨの評価に不信を抱く少なからぬ中堅醸造所を、いわば防護壁として守っているように見える。彼らの本音はゴー・ミヨのドイツワインガイドの現在の影響力の低下であり、195Euroの審査料請求は格好の口実を与えてしまったようだ。





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Last updated  2009/07/22 07:16:44 AM
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李斯。@ お久しぶりです。 御無沙汰しております。 何時も拝見してい…
pfaelzerwein@ Re:ひさびさのドイツ・その64(04/05) 「ムスカテラー辛口」は私も買おうかと思…
mosel2002@ Re[1]:ひさびさのドイツ・その54(03/14) pfaelzerweinさん >私の印象では2013年…
pfaelzerwein@ Re:ひさびさのドイツ・その54(03/14) 私の印象では2013年からは上の設備を上手…

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