テーマ:ワイン大好き!(30532)
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二日目のVDP試飲会だが、白状するとあまり記憶に残っていない。
そろそろ一年を経ようとしているというのもあるけれど、初日の出来事は色々と思い出せるのだが、二日目は…? ファルツ、フランケン、ヴュルテンベルク、ラインガウの生産者を廻ったことは確かである。ファルツは割と丁寧に試飲したのだが、このブログの読者に定点観測をしておられる方がいるので、どうも書きづらい(苦笑)。たった半日で何がわかるのか。いや、何も試飲しないよりはずっとマシな筈なのだが、目隠しをして象の鼻をなでて、この動物の全体像を想像するのにも似て、あからさまに言うのもはばかられる。でもまぁ、一応触れておくことにする。 何より印象的だったのは、エコノミーラート・レープホルツのベーシックなキュベの強烈な酸味であった。もう、これでもか、というガツンとくる酸味で、それもリースリングだけではなくムスカテラー(!)。あの酸の強烈さは衝撃的だった。普通ここまで酸があったらなんとかするだろうと思うのだが、「ありのまま」をもって良しとしたという。生産年の特徴をそのまま生かして、自然がなすにまかせたのだそうだ。マセレーションとシュールリーを長めにやって酸をなだめようとしたというけれど、それでもまだまだ強さは明瞭。潔いまでの酸味の強さ。 酸の強いワインといえば、先日ジェラール・シュレールの2009ピノ・グリ・レゼルブが強烈だった。2009だから熟成感が出始めているんじゃないかと思って一口のんだらもう、「くぅ~!」と、川平慈英みたいに唸らずにはいられなかった。酸味を伴うあのエネルギー感は尋常ではない。キンキンに冷やした生ビールを一気に喉の奥に流し込んだような、電流が全身を貫いたような感じで、衝撃的だった。温暖な2009でしかもピノ・グリでレゼルヴだから、たぶん完熟した収穫だったのだろうけれど、あの酸味の力強さと若々しさは前代未聞だった。 2013のレープホルツの辛口も、やがてシュレールのようになるんだろうか?もう一年経つから、あの強烈だった酸味もそろそろ角がとれはじめている頃かもしれない。あのムスカテラー辛口はもう一度飲みたい。 その他のファルツも多かれ少なかれ、酸味の荒々しい、ミネラル感のビリビリくるようなワインが多かったが、モスバッハーはその中でも割とバランスの良い、チャーミングな仕上がりだったと記憶している。ベーシックなワインに使う葡萄はハーヴェストマシンを使って、速やかな収穫で果実のコンディションも良く、酸・傷みもあまり問題なかったという。ここは圧搾も一番搾り、二番絞りと分けておいて、後でブレンドして最善のバランスを取るといった手間をかけるそうで、難しい年でも果実味の魅力をバランス良く引き出している。 クリストマンも好印象で、特に塩気に似たミネラル感が気のせいか、例年よりもはっきりしていた。樽試飲のせいかもしれない。いつもながら綺麗な仕上がりで、磨かれた果実味はあくまでもエレガント。例年なら4~5週間かけるという収穫は、2013年は16日で完了。選果作業に手間暇がかかりストレスの多い収穫だったが、結果には満足している、と言っていた。量的にも例年の10%程度の減少に留まり、この品質でその程度の損害ならさもありなん。 シャンパーニュのボランジェから新しい醸造責任者を迎えたことで話題となったフォン・ブールの仕上がりも好印象だった。スッキリとしてほっそりとして、北国の冷涼さを彷彿とさせてエレガント。2012年までの出来はよく覚えていないのでなんとも言えないが、新しい醸造責任者とともに、経営責任者に確かマイニンガーでワインジャーナリストをしていた人物が就いて、色々と刷新されつつあるようだ。今後に期待が持てそうだし、なによりゼクトの仕上がりが楽しみである。そういえば、昔ここで醸造責任者をしていたフランク・ジョンが立ち上げた同名の醸造所が一部で話題になりつつある。素晴らしいピノ・ノワールだということだが、生産量はごく少量。発売と同時に売り切れ、プロヴァインには出展するがVDPのメンバーでもなく、まだ試飲する機会はないけれど気になっている。 Dr. ビュルクリン・ヴォルフは良い意味で2013年が難しい年だったことをあまり感じさせなかった。熟した果実に黄色いベリーのヒント、余韻にかけてミネラル感が広がり、エアステ・ラーゲになると果実味に品の良さが加わる。収穫作業は大急ぎで、しかも昼夜わかたず作業を続け、醸造所ではベルトコンベアーで選果作業を徹底したという。妥協をしないところはファン・フォルクセンを思い出す。 あとは印象に残っているのはバッサーマン・ヨーダンか。ほっそりとして繊細で、スッキリ、さっぱりとした印象。いや、薄くはない。端麗でミネラル感を伴う感じ。いや、実はここでアンフォラのワインを試飲したかったのだが、持ってきていないというので少々がっかりしたのだが、翌日オーディンスタール醸造所へ行ったついでに直売所に立ち寄ったら、マインツでサーヴしてくれた販売担当の若者が偶然いて、せっかく来たんだからと飲ませてくれた。飲んだけど、う~ん。なんだかアンフォラらしくなくて、肩すかしを食らったような気がした。妙にアロマティックで酸が控えめで厚ぼったくて、正直なところダサいと思った。一方、アンフォラといか、ティナハで醸造したカベルネ・ソーヴィニヨンの赤は見事だった。アンフォラで醸造したワインに何を求めているかは、生産者によって異なるようだ。その話はまた別の機会に。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
「ムスカテラー辛口」は私も買おうかと思ったぐらいです。酸が効いているので楽しめて、三年ぐらいは変わらないで楽しめるとレープホルツ講話にありました。しかし2014年はブルグンダーはどれもよいと想像します。彼の求めるそれはフランス風らしいです。
「妥協をしないところはファン・フォルクセン」は凄い評価で、その規模の相違を考えればありえないことなのです。それだけに価格高騰の先頭を走り続けています。 ブールは、酵母臭さで受け入れられませんでした。ダイデスハイムは早めに手を打たないと全滅です。バッサーマンも私が最後まで残った往時の顧客の一人でした。 (2015/04/27 01:50:52 AM) |
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