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2007年08月19日
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カテゴリ:読んでみた本



 20年ほど前に話題となったので、覚えている方もいらっしゃると思います。東大大学院で天文学研究室のメンバーが自力で、スーパーコンピューターを作り上げた話です。筆者はその時の主要メンバーである伊藤智義氏。漫画の原作を手がけたこともあるそうで、多彩な才能を見せ付けています。

 この本の文体は「○○が言った。△△はこう考えた」という『プロジェクトx』方式をとっています。映像がない活字媒体では、少々重苦しくなるため、読みにくく感じる人がいるかもしれません。また、筆者の伊藤氏自身が中心となって開発したためか、遠慮というか控えめな記述になり、読者がともに感動を共有しにくくなっています。感動秘話という趣ではなく、またコンピューター開発に当たっての技術論でもないため、多数の読者に受け入れられるタイプの本ではないようです。新書としては微妙なポジションにあります。

 もちろん当時のメンバーが成しえた業績は、とてつもない快挙であることに変わりありません。スーパーコンピューターを導入するには通常、5年程度のリース契約で行われ、一ヶ月のリース代は約1億円ということです。総額で数10億円かかるものが、20万円程度で開発できたわけですから、画期的なことです。その秘密は本書の中心テーマであるので、興味のある方は、是非お読みになってください。

 私なりの捉え方を挙げてみます。まず研究室のリーダーが、宇宙の謎を解き明かしたいという、強いVISIONを持っていたこと。コンピューターに詳しいメンバーがいたこと。既存の常識に縛られない柔軟な発想を持つ若者がいたこと…あたりでしょうか。東京大学にはこういう一流のメンバーが集結する機会と場があるわけですね。

 当時のメンバーは東京大学を離れて、それぞれが選んだ環境で活躍されているそうです。常人にはない技術と能力が備わっている方々ですから、今後も、世界が驚くような発見をされたり、未来につながる技術を開発してくれることでしょう。


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最終更新日  2007年08月19日 10時57分33秒
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