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えひもせす

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2009年05月03日
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カテゴリ:読んでみた本

天使と悪魔(上)


 ダビンチ・コードの二番煎じなら嫌だなと思って、
食指が動かなかったけれど、ここのところの宣伝が凄いし、
GWに読む本探していたこともあり、
購入し、そして一気に読破。

 こういう小説好きですね。
物理学や宗教学がテーマなのだけれど、
さほど知識がなくてもついて行ける。

 専門家が読むとそれは違うよという箇所が
あるかもしれぬが、小説全体のおもしろさを損なわない範囲での
リアリティがあるから、黙認してくれそう。

 舞台となったローマの遺跡の数々もしかり。
ここに取り上げられた彫刻や建造物は、
世界的に有名なものらしいが、恥ずかしながら、
今まで関心がなかった。今あわてて、
検索している自分の不明さといったら…。

 この時点で作品についていけなくなりそうなものだが、
冒頭にローマの市街図、作中重要な遺跡な写真が掲出されており、
筆者の記述と見比べることによって、自分の無知を補い、
作品世界に没頭できるようになっている。
作者の絶妙な匙加減です。

 作者ダンブラウンは読者をひきつける技術に長けていて、
伏線を忍ばせることを忘れない。後半はどんでん返しにつぐ、
どんでん返し。そこだけ読むと荒唐無稽な場面があるのだけれども、
前半にちょこっと何食わぬ顔で、記してある一文が効いている。
読者は、ん?と思う箇所でも、あぁこういうことかと納得しているから
ページをめくる手をゆるめることができなくなる。

・ある重要人物がヘリコプターの操縦に長けていたとか
・自由落下運動する際、どれだけの抵抗でどれだけ減速するとか
・日記を盗み読んだ人物が真の犯人に気づいていたとか

 私は文庫版(上巻・中巻・下巻と3分冊)を読んだけれども、
ストーリーが終幕を迎え、全体を理解したと思った時は、
まだ下巻にさしかかったところだった。

…あと1冊何が起こるの。

 まだ読んでいない方は是非どうぞ。
二重三重に仕掛けられた筆者の伏線にぞくぞくすること請け合い。
安っぽいトリックやミステリーは嫌いだと言う方は、
立ち読みしてみましょう。
上巻P59のアンビグラム(上下対称の文字列)の見事さと言ったら!

 日本語では『回文』すなわち「たけやぶやけた」ってやつですが、
アルファベットの上下対称性=シンメトリーの難しさ、そして
困難さを克服した美しさと言ったら…。

 さらに父と子の関係。俗に言うファザコン。
被害者も解決者も、かつて父の愛に救われた。
そして父の愛に裏切られた…。

 どうですか。さすが二番煎じを避けようとして
いろんな仕掛けを施したのね。縦糸と横糸。


…『あとがき』を読むまでそう思っていた。


 『ダビンチ・コード』は2003年発表
 『天使と悪魔』は2000年。

 こちらの方が先なんだ。
 ラングトン登場の処女作。
 うなるしかない。

 さて結論。

物語のスケールの大きさ、
歴史の謎を紐解くストーリー→『ダビンチコード』☆☆☆
              『天使と悪魔』☆

物語の起承転結、完成度→『天使と悪魔』☆☆☆
            『ダビンチコード』…☆☆


 時間を忘れて読んで、読後感もすっきり。
でも『ダビンチコード』のワクワク感に一歩及ばず。
広告宣伝の都合もあろうが、小説を読んでの印象は、
広告にある文句とは異なる。
少なくとも自分は『ダビンチコード』よりおもしろいと思った80%には
含まれないと思った。

 では映画はどうか。
『天使と悪魔』に登場する設定・小道具は
映像に映えると思う。

 「聖女テレサの法悦」
 「キージ礼拝堂」

 …アンビグラム
 …光

 口絵で目にし、文で補い、自分なりのイメージは形作られたうえで、
それでもなお、自分の目で観てみたい。
予告映像によると、どういう取り決めかわからないけれど、
確かに美術品の「実物」を映し出している。良質の観光ガイドのように。

 文字は『ダビンチ・コード』

 映像は『天使と悪魔』

…のはずだ。

どちらの作品が評価されるのかわからない。

見極めるために、

…映画を見に行こうと思った。

例え失望しても1500円でローマ旅行。
悪くはないから。


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最終更新日  2009年05月04日 02時07分02秒
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