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第79回 (構造編第1回 力学-1 力のつり合い・反力)
建築士試験に独学で挑戦する方のために、過去問を使って問題の解き方・ポイント・解説などを行っています。 過去問約20年分を1肢ごとにばらして、出題の項目ごとに分けてまとめています。1,2級両方載せていますので、1級受験の方は2級問題で慣らしてから1級問題に挑戦。2級受験の方は、時々1級の過去問題からも出題されますので参考程度に1級問題を見ておくと得点UPが狙えます!! 全科目終わるには先の長い話ですが、勉強の参考になると嬉しいです! 構造-1 法規に続いては、苦手な人が多い構造を解説します。構造の問題は大きく構造力学(計算問題)と各種構造・建築材料(文章問題)に分かれます。ここでは、計算問題と文章問題を交互に紹介していきます。 (問題や解説の中で、時々誤字脱字・計算間違いがあります。気を付けてはいますが、ごめんなさい!気が付いたら優しく教えて頂けると嬉しいです。また、解説等で解り辛いところは質問頂ければできる範囲で解説いたします。) 構造(力学)1.力のつり合い・反力 力のつり合い、反力は力学の基礎となるところです。しっかり理解していないと、今後の計算問題が難しくなります。 ここは二級で出題される範囲ですが、一級でも時々出題されています。特に力学が苦手な方はここを活用してしっかり理解して下さい!! (問題は、一部修正しているものもあります。) 問題 □ 偶力のモーメント 1 図のような平行な二つの力P₁、P₂によるA、B、Cの各点におけるモーメントMA、MB、 Mcの値の組み合わせとして、正しいものは、次のうちどれか。ただし、モーメントの符 号は、時計回りを正とする。(2級H18) 2 図のような平行な二つの力P₁、P₂によるA、B、Cの各点におけるモーメントMA、MB、Mc の値の組み合わせとして、正しいものは、次のうちどれか。ただし、モーメントの符号は、 時計回りを正とする。(2級H21) □ 四力のつり合い 3 図のような四つの力P₁~P₄が釣り合っているとき、P₄の値として、正しいものは、次の うちどれか。(2級H15) 4 図のような四つの力P₁~P₄が釣り合っているとき、P₄の値として、正しいものは、次の うちどれか。(2級H19) 5 図のような四つの力P₁~P₄が釣り合っているとき、P₂の値として、正しいものは、次の うちどれか。(2級H20) □ モーメントによるつり合い 6 図のような剛で滑らない面の上に置いてある剛体の重心に漸増する水平力が作用する場合、 剛体が浮き上がり始めるときの水平力Fの重力Wに対する比α(=F/W)の値として、正し いものは次のうちどれか。ただし、剛体の質量分布は一様とする。(1級H27) 7 図のような剛で滑らない面の上に置いてある直方体の剛体の重心に漸増する水平力が作用 する場合、剛体が浮き上がり始めるときの水平力Fの重力Wに対する比α(=F/W)の値と して、正しいものは次のうちどれか。ただし、剛体の質量分布は一様とする。(1級H30) □ 合力の作用戦までの距離 8 図のような分布荷重の合力の作用線からA点までの距離として、正しいものは、次のうち どれか。(2級H23) 9 図のような分布荷重の合力の作用線からA点までの距離として、正しいものは、次のうち どれか。(2級H22) □ 反力(単純梁) 10 図のような荷重を受ける単純梁の支点Bに反力が生じない場合の荷重をそれぞれP₁、P₂と したとき、それらの比P₁:P₂として、正しいものは、次のうちどれか。(2級H14) 11 図のような梁において、B点及びC点にそれぞれ集中荷重PBとPCが作用する場合、支点Aに 鉛直反力が生じないようにするためのPBとPC比として、正しいものは、次のうちどれか。 (1級H24) □ 反力(ラーメン) 12 図のような外力を受ける静定ラーメンにおいて、支点A、Bに生じる鉛直反力RA、RBの 値の組合わせとして、正しいものは、次のうちどれか。ただし、鉛直反力の方向は上向き を「+」、下向きを「-」とする。(2級H18) 13 図のような外力を受ける静定ラーメンにおいて、支点A、Bに生じる鉛直反力RA、RBの値 の組合わせとして、正しいものは、次のうちどれか。ただし、鉛直反力の方向は上向きを 「+」、下向きを「-」とする。(2級H21) 14 図のような外力を受ける静定ラーメンにおいて、支点A、Bに生じる鉛直反力RA、RBの値 の組合わせとして、正しいものは、次のうちどれか。ただし、鉛直反力の方向は上向きを 「+」、下向きを「-」とする。(2級H26) □ 反力(3ヒンジラーメン) 15 図のような荷重を受ける骨組みの支点A、Bに生じる鉛直反力RA、RBの値の組合わせとし て、正しいものは、次のうちどれか。ただし、鉛直反力の方向は上向きを「+」、下向き を「-」とする。(2級H14) 16 図のような外力Pを受ける3ヒンジラーメンの支点Aに生じる水平反力をHA、鉛直反力を VA、としたとき、それらの比HA:VAとして、正しいものは、次のうちどれか。 (2級H23) 17 図のような外力を受ける3ヒンジラーメンにおいて、支点A、Bに生じる水平反力HA、HB 及び鉛直反力VBの値の組み合わせとして、正しいものは、次のうちどれか。ただし、水平 反力の方向は、左向き「+」とし、鉛直反力の方向は、上向きを「+」、下向きを「-」 とする。(2級H25) 18 図のような荷重が作用する3ヒンジラーメンにおいて、A点における水平反力HAの大きさと して、正しいものは、次のうちどれか。(1級H24) ***************************************************************** 解説 □ 偶力のモーメント 1 偶力(互いに並行で、向きが反対で、大きさが等しい一対の力)によるモーメントは、A~C 点どこにおいても一定の値となる。M=PL(Lは二つの力の距離)の関係で求めることがで きる。 MA=MB=MC=4KN×6m=24KNm。+、-の判定は二つの力が時計回りで「+」 反時計回りで「-」と判断する。 ∴MA=MB=MC=-24KNm 正解 4番 2 偶力(互いに並行で、向きが反対で、大きさが等しい一対の力)によるモーメントは、A~C 点どこにおいても一定の値となる。M=PL(Lは二つの力の距離)の関係で求めることがで きる。 MA=MB=MC=3KN×9m=27KNm。+、-の判定は二つの力が時計回りで「+」 反時計回りで「-」と判断する。 ∴MA=MB=MC=+27KNm 正解 3番 □ 四力のつり合い 3 四力のつり合いは、求める力を除いて未知数の力の交点を中心にΣM=0より求める。 P₁とP₃の交点でΣM=0の式を立てると、ΣM=+4KN×1m-P₄×2m=0よりP₄=2KNとなる。 正解 2番 4 四力のつり合いは、求める力を除いて未知数の力の交点を中心にΣM=0より求める。 P₁とP₃の交点でΣM=0の式を立てると、ΣM=+6KN×2m-P₄×4m=0よりP₄=3KNとなる。 正解 2番 5 四力のつり合いは、求める力を除いて未知数の力の交点を中心にΣM=0より求める。 P₃とP₄の交点でΣM=0の式を立てると、ΣM=+P₂×2m-6KN×8m=0よりP₂=24KNとなる。 正解 2番 □ モーメントによるつり合い 6 剛体立面図右下の角を中心に、水平力Fによる時計回りのモーメントと鉛直力Wによる反時計 回りのモーメントが等しくなるときのF/Wを求める。F×4a=W×2aより、2F=Wとなり F:W=1:2となる。 ∴ F/W=1/2=0.5 正解 2番 7 剛体立面図右下の角を中心に、水平力Fによる時計回りのモーメントと鉛直力Wによる反時計 回りのモーメントが等しくなるときのF/Wを求める。F×500=W×150より、10F=3Wとな りF:W=3:10となる。 ∴ F/W=3/10=0.3 正解 2番 □ 合力の作用戦までの距離 8 合力の作用線までの距離は、バリニオンの定理(合力のモーメント=分力のモーメントの 総和)を使います。図形を四角形の部分と三角形の部分に分けて考えそれぞれの合力と A点からの距離を求める。 2m×4KN/m=8KNはA点から1mの位置に作用、 6m×4KN/m÷2=12KNはA点から4mの位置(三角形の重心1/3)に作用する。 バリニオンの定理より、(8KN+12KN)×X=8KN×1m+12KN×4mよりX=2.8mと なる。 正解 4番 9 合力の作用線までの距離は、バリニオンの定理(合力のモーメント=分力のモーメントの 総和)を使います。図形を四角形の部分と三角形の部分に分けて考えそれぞれの合力と A点からの距離を求める。 6m×2KN/m=12KNはA点から6mの位置に作用、 3m×2KN/m÷2=3KNはA点から2mの位置(三角形の重心1/3)に作用する。 バリニオンの定理より、(12KN+3KN)×X=3KN×2m+12KN×6mよりX=5.2mと なる。 正解 4番 □ 反力(単純梁) 10 B点に反力が生じないので、ΣMA=0よりP₁とP₂の比を求める。 ΣMA=-P₁×2m+P₂×1m=0より2P₁=P₂となる。 ∴P₁:P₂=1:2となる。 正解 2番 11 A点に反力が生じないので、もう一つの支点(移動端)でΣM=0よりPBとPCの比を求め る。移動端ΣM=-PB×ℓ+PC×ℓ=0よりPB=PCとなる。 ∴PB:PC=1:1となる。 正解 3番 □ 反力(ラーメン) 12 反力を求める場合は原則回転端でΣM=0より求める(A支点に水平反力HAがあるのを忘れ ない!)。ΣMA=0よりRBを求める、 +8KN×2m-4KN×8m-RB×4m=0よりRB=-4KN(↓)。ΣY=0よりRAを求める、 +RA-8KN-4KN=0よりRA=+12KN(↑) 正解 4番 13 反力を求める場合は原則回転端でΣM=0より求める(A支点に水平反力HAがあるのを忘れ ない!)。ΣMA=0よりRBを求める、 +9KN×4m-3KN×8m-RB×6m=0よりRB=+2KN(↑)。ΣY=0よりRAを求める、 +RA-9KN+2KN=0よりRA=+7KN(↑) 正解 3番 14 反力を求める場合は原則回転端でΣM=0より求める(A支点に水平反力HAがあるのを忘れ ない!)。ΣMA=0よりRBを求める、 +6KN×3m-3KN×8m-RB×6m=0よりRB=-1KN(↓)。ΣY=0よりRAを求める、 +RA-6KN-1KN=0よりRA=+7KN(↑) 正解 1番 □ 反力(3ヒンジラーメン) 15 3ヒンジラーメンは反力が4つあるため、求める反力と反対側の支点でのΣM=0と中間の ピン接点でのΣM=0も二つの式を使って解く(A、B支点に水平反力HA,HBがあるのを忘れ ない!)。ΣMB=0よりRA、HAを求める、 +RA×3m-HA×4m-6KN×1m=0より3RA-4HA=6---①。 中間ピン接点ΣMC左=0よりRA、HAを求める、 -RA×1m-HA×4m=0よりRA-4HA=0---② ①式と②しきの連立方程式からRA=+3KN(↑) 中間ピン接点ΣMC右=0よりRBを求める、+6KN×1m-RB×2m=0よりRB=+3KN(↑) 正解 4番 16 3ヒンジラーメンは反力が4つあるため、求める反力と反対側の支点でのΣM=0と中間の ピン接点でのΣM=0も二つの式を使って解く(A、B支点に水平反力HA,HBがあるのを忘れ ない!)。ΣMB=0(A点の反対側の支点をBとする)よりVA、HAを求める、 -VA×2ℓ+HA×ℓ+P×ℓ=0より-2VA+HA=-P---①。 中間ピン接点ΣMC左=0(中間ピンをC点する)よりVA、HAを求める、 -VA×ℓ+HA×2ℓ=0より-VA+2HA=0---② ①式と②式の連立方程式からVA=+2/3P(↑)、HA=+1/3P(←) ∴ HA:VA=1:2 正解 4番 17 この問題は、先に中間のピン接点(C点と仮定)ΣMC右=0よりHAを求める、 -HB×2m=0よりHB=0 。ΣX=0より+4KN-HA=0 HA=4KN(←) これで答えは5番となる。 ΣMA=0よりVBを求める、 +4KN×4m-VB×4mℓ=0よりVB=+4KNとなる 正解 5番 18 3ヒンジラーメンは反力が4つあるため、求める反力と反対側の支点でのΣM=0と中間の ピン接点でのΣM=0も二つの式を使って解く。MB=0(A点の反対側の支点をBとする) よりVA(A点に上向き反力を仮定)を求める、+VA×3ℓ-3P×ℓ=0よりVA=+P(↑) 中間ピン接点ΣMC左=0(中間ピンをC点する)よりHAを求める、 -P×ℓ-HA×ℓ=0よりHA=+P(→) 正解 3番 今回から構造に入りました。第1回目は力学の基礎(つり合いと反力)でしたが、解説が全て文章なので解り辛くてごめんなさい!計算が間違っていたら教えてください。次回は構造の文章問題です。 今日はこんな言葉です! 『大きなことを夢見よう!決して途中であきらめてはいけない。
否定的な考えで自分をダメにしてはならない。 今日だけを生きるのではなく、明日に期待しよう。 あなたを成功へと駆り立てるような習慣を育てるのだ。』 (スティーブン・スピルバーグ) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
Aug 12, 2022 11:27:32 AM
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