個性について考える ②個性を「活かす人」「殺す人」
おはようございます今日も「個性」について考えていきます全4回の予定です前回の振り返りとしては「個性」とは人と違う事集団の中で個よりも協調を求められたり、同調圧力が働くことで個性を発揮しづらい世の中であるその中でも周囲の圧力に負けず人との違いを大事に出来たり、インターンネット上で発信することで輝く存在になれるという話をしました今日はより具体的にどうすれば個性を活かし輝けるのか、また何が個性を殺すのかを考えます1.個性を活かすために意識したいこと「個性を活かす」、「自分らしく生きる」と言う事が難しい社会だと言う事は実際に今この時代に生きている皆さんであれば少なからず感じることだと思いますそのため何も意識せずに生きていたら自然と周囲から教育、指導されてちゃんと個性のないみんなと一緒の人間になっていきます厄介なのは周囲の人たちの中には(特にあなたと近しい人)精いっぱいの善意を持ってあなたの個性を潰しにかかってくることですそのため個性を活かすうえで、意識しなくてはいけないことは以下の3点①個性は嫌われ、潰されることを理解する②個性を活かせるフィールドを探す③短所も人の役に立てば長所になるですそれぞれ解説していきます①個性は嫌われ、潰されることを理解する個性とはよく言うと「自分らしさ」「人とは違う所(いい意味で)」です悪くいうと「変なところ」「人とは違う所(悪い意味で)」です日本の教育の方針として個よりも集団を重視するように教わってきた私たちは、輪を乱すようなものには排除しようと言う気持ちが働きますつまりみんな同じであることが正しいことで、人と違う事は悪いことだと捉えがちなのです「なんでみんなと同じに出来ないの」とか「皆がやっているから」とかと大人になっても考えてしまうのは、子供の頃や学生時代に親や教師に指導されて正されてきたからです集団として考えた時にはみんな一緒のことをしてくれた方が指導・指揮する方は楽でいいですよね一つの「こうあるべき」というマニュアルに沿って教えればよい、それに沿わない子は落第者としての烙印を押して指導すればよいのですからそんな教育を受けてきたので、「皆と一緒にすれば褒められて、違うことをしたら叱られる」というわかりやすい構図が出来あがっています皆と一緒のことをすると褒められるので、優等生と呼ばれる人ほど人と違うことに対して嫌悪感を抱きやすいでしょう「なんであの子はみんなと同じように出来ないの」とか「人と違う事を言って変に目立たない方が良い」とか考えるようになります大人になってからは教育される機会は著しく減り、自ら学ばない限りアップデートはされないのでこの個性を潰す大人や親がたくさん残ることになりますこうして人と違ったところを潰す、「出る杭は打たれる」社会が誕生しているのです最近世界的にも色々な個性を認めて多様性をのある社会にしていこうという流れになってマイノリティ(少数派)と呼ばれる人たちの権利を認めていこうという流れが出来ているのも確かですただこれまでの長い歴史の中でマイノリティ排除の方針を取ってきた国ですし、トップに立つ政治家が公の場で女性やLGBT蔑視の発言をしたりする国ですから個性を大事にしようとしても、まだまだ出る杭は打たれることを理解しておきましょう②個性を活かせるフィールドを探す個性を活かしていくためには、具体的にはどうしたらよいかと言う事です周りにあなたの個性を認めて応援してくれる人が最初からいれば良いですが、それでは他人任せ、運任せになってしまいますそのため自分で出来るアクションとしては自分の個性を認めてもらえて、むしろ個性を武器にして活躍できるフィールドを探すことです例えばお笑い芸人の渡辺直美さんはまさに自分の活躍できるフィールドを見つけたわかりやすい例だと思いますお笑い芸人としてはその体系をいじられたり、ネタにしていましたがその体系を武器にしたファッションやメイクなどが逆に支持されて今では日本で一番フォロワー数が多いインスタ女王とまで呼ばれています日本一とまではなれなくても、必ず自分の個性を活かせるフィールドはありますインターネットが発達したこと自宅に居ながらでも世界中と繋がれる時代ですから、自分から発信することを続ければ必ず、あなたの個性を認めてくれたり、共有できる人や場所は存在します今の時代大切なのは自分から発信することですスマホ一台あればインスタ、ツイッタ―、TikTok、YOUTUBE、ブログ 等発信できる場はいくらでも整っています自分らしさを隠したり押し殺したりするのではなく、まだ出会っていない人たちに向けて発信していく方が、何より楽しく生きていけると思いませんか?③短所も人の役に立てば長所になる人と違う所を指摘されたり指導された経験のある人は、自分の個性を短所だと捉えている人も多いと思います例えばとても負けず嫌いで何をするにも張り合ってきて、負けたら必要以上に悔しがる人だと集団の輪をかき乱すことになり、浮いた存在として敬遠されがちですしかしスポーツの場面ではこの負けず嫌いさが逆に求められます自分の味方にこういう負けず嫌いの人が一人いると、その強い熱量がチーム内に伝染して全体のレベルを押し上げることになったりもしますまた負けず嫌いの子が原因でチーム内で言い争いが起きても、そこから全体で真剣に話し合って言いたいことを言えなかった子達まで自分の考えを言えるようになったりもしますこのように周りの役に立てば負けず嫌いという一時は嫌われていた個性が、一転して長所としてチームとして求められる人材になることだってできます逆に協調性があって集団の輪を乱さない、一見長所と見える特徴も、意見を求められるような会議やチームを引っ張って自分自身で決断しなくてはいけない場面になると「あいつは自分の意見がない」とか「リーダーシップが無い」とか短所となり得ると言う事です人間や社会と言うものは相手が自分にとってどんなメリットを提供してくれるのかと言う事を自覚しているにしろ、自覚していないにしろ求めてくるものですそのため自分らしさを活かすためには、その特徴がどのように人の役に立てるのかというポイントを意識することも極めて重要なポイントです2.個性を殺すNG集ここまでは自分自身の個性を活かすために必要な事を解説しましたが、ここからは他人の個性を殺さないために意識してほしいことを考えます私たちは常に評価される立場であって、評価される立場でもあります相手の個性を殺さないことが、結果として自分の個性を活かすことにも繋がるので(返報性:相手にしてもらったことはこちらも返さなくてはいけないと思う心理)是非、相手の個性を殺さないことも意識して欲しいです①ステレオタイプにとらわれる②自分が全ての価値基準になる③知らないことへの恐怖に捉われて、考えることを放棄する①ステレオタイプにとらわれるステレオタイプとは固定観念とか先入観等と言う意味ですが、「男らしさ」「女らしさ」などに使われるような「男とはこうあるべきだ」、「女とはこうあるべきだ」と言ったように、一つの理想像を作って皆そうあるべきだとする考え方です正解はたった一つで、他は不正解とすればわかりやすくていいのですが、人間に関してはそんなに単純なものではありませんこのステレオタイプは一人一人の個性を大切にするのではなく、一人一人が皆同じものであるべきだとする個性を潰す典型的な考え方だと思います一体感を生み出したり同じ目標を思い描くと言う意味では必ずしも悪い事ばかりとは言いませんが、皆を一様に型にはめようとするという意味では個性を殺すことになりかねない考え方です②自分が全ての価値基準になる人間は一人一人違ったものの見方をします一卵性の双子であっても全く同じことはないですし、どれほど姿かたちが似ていても、考え方まで全く同じと言う事はあり得ないですしかし、相手の頭の中は見えないので人間はどうしても自分の価値観で物事をはかるしかないのと、なぜだか相手も自分と同じ価値観で物事を考えているはずだと誤解してしまいます自分が美味しいと思うものを相手も美味しいと思ってもらわないと機嫌が悪くなったり、自分が好きなものを相手が嫌いだと言ったら、怒りが沸いて来てその人のことを嫌いになったりなぜだか自分の判断基準に合わないと言うだけで不安になったり、嫌いになったりしてしまうものです個性を考える時にもこの「自分とは違うもの」に対するセンサーが働くと、不安になって遠ざけたり、自分を守るために自分とは違うものを仲間外れにしようとします当たり前のことですが、「全員が自分と同じ考えではない」と言う事は意識しないと簡単に忘れてしまいます対人関係の中で何か不安になった時は、この自分の価値観を相手に押し付けていないかと言うポイントは一度振り返ってみる必要があります先程のステレオタイプにしてもそうですが当然一人一人考え方も違うので、こうあるべきと言う理想像が人によって異なりますただ厄介なことにそれに気づかずに、自分の考えている「こうあるべき」は皆がそう思っていることだと思って型にはめ込んで来ようとする人もいると言う事です③知らないことへの恐怖に捉われて、考えることを放棄する人間の脳の構造上、自分の知らないものに対しては恐れることは仕方がない事ですはるか昔の食料を取ることが困難で餓死する人もたくさんいた狩猟採集の時代から、現代にいたるまで人間の脳の構造はさほど変わっていません日本だけで考えてもこれほどまでに食に溢れて、生命の危機に晒されることなく安全に暮らせるようになったのはここ数十年での話ですおじいちゃん、おばあちゃんの話を聞いていても子供の頃は貧しかったとか、小さいうちに兄弟が亡くなってしまったとかいう話を聞くことを考えるとここ数十年の間で子供が大きく育つことも生き残っていくことも当たり前ではなかった時代がそこにはあったことが見て取れます今の私たちの祖先と言われるホモサピエンスが誕生したとされるのが10万年から20万年前とされていますから、ここ数十年での今の安全な環境で生活することに脳の進化が追い付いていないというのが今の現状です(詳しく知りたい人はこの本がお勧めです)スマホ脳 (新潮新書) [ アンデシュ・ハンセン ]一流の頭脳 [ アンデシュ・ハンセン ]当時の狩猟採集を行っていた時代には食べ物を得ることと、猛獣などの危険から遠ざけることが何より大事な事でしたそのため未知との遭遇をした時に脳はストレスを感じ、コルチゾールという物質を出して私たちに「闘争か、逃走か」の2択を迫ります未知が安全なものか自分に危害をなすものかがわからないからです戦って未知の正体がわかれば、2回目以降は過度に不安になることも無くなりますし、逃げることで身の危険を回避して生存確率を上げることも出来ます先ほど述べたように私たちの脳はここ数十年の急激な世の中の変化に対応しきれていませんこれまでの10~20万年と言う長い歴史の中で多くの危機を回避して仲間を増やし地球上を制圧するまでに至った長い道のりの中で、未だに脳の優先事項は「生存と繁殖」なのですそのため脳は生存と繁殖に関すること(食べること、仲間を作ること、子孫を残すこと 等)に対してはアドレナリンやドーパミン、セロトニン等の幸福や快楽を与える物質を放出して、それらを脅かすものが現れた時にはコルチゾール等のストレスを感じるホルモンを出して不快感を与えますそのため現代においても自分とは違う個性を見つけた時にもその個性が自分にとって害はないものだと理解するまではこの「闘争か逃走か」の原理が働いて知らないものに対して「あいつは変な奴だ」と警戒して敵対するか、「関わらないようにしよう」と考えることを辞めてその場から離れようとしますこの闘争の原理が働くからこそ何も考えずにいては知らないものを避けようとしますしかし、いつの時代だって知らないものが現れた時に向き合って理解してきたからこそ一つずつわかるものが増えて、逆により良い暮らしを享受できるようになったのもまだ事実です10代とか20代前半の子は知らないかもしれませんが、最初にインターネットが現れた時にはインターネットは危険なものだと言われていた時代があったんですよWindows95が発売された時には我が家では子供は触らせてもらえなかった(ソリティアとマインスイーパーで遊んでた)のと、周りにもインターネット使っている友達は一人、二人とかの次元でした今ではスマホが当たり前の時代なので、幼少期からインターネットが当然のようにあって世界中と繋がれるのも当然の世界になっていますが、これはスティーブ・ジョブス等の人類が未知と向き合って理解したからこそですしその未知のパソコンやインターネットと向き合って安全なものだと理解して、逆にその可能性を見出した人たちがいたからこそSNSが出来て世界中と繋がれることも出来るようになりました特段力が強かったり素早く動けるわけでも空を飛べるわけでもない人間がこの世界中で生き残れるようになったのは、脳を使って恐怖と向き合うこともできたからです今の世の中では知らないものが現れて自分の命を危機に晒すことなんてそうそうあるものではありませんだからこそ脳が色々と恐怖を煽ってくるのを自分自身で制御して、自分とは違うものと向き合っていきましょうそうすることで今までになかった考え方やあなたの選択肢が広がりますし、一度理解してしまえば不要に闘争か、逃走かを考えることも無くなり快適に暮らせるようにもなります*まとめ*個性を活かすために意識しておきたいことは以下の三つ①個性は嫌われ、潰されることを理解する②個性を活かせるフィールドを探す③短所も人の役に立てば長所になる逆に自分や相手の個性を殺してしまうポイントは以下の三つ①ステレオタイプにとらわれる②自分が全ての価値基準になる③知らないことへの恐怖に捉われて、考えることを放棄する知らないからこそ、個性に対しての向き合い方がわからなくなりますまずは上記を意識したうえで個性と向き合うこと自分自身の個性ともそうですし、相手の個性ともそうです意識しないと人間の脳の構造的に必ず、まずは否定したい気持ちになるものなので、まずは向き合う所から始めていきましょう