麦麦学校　宿直室

ハローズというスーパーのチェーン店がある。これがここ数年で
倉敷市内に次々にオープンしている。
その中で比較的良く日常の買い物に出かける店の中に併設されている
パン屋でカレーパンを購入してみた。

カレーパンといえば揚げカレーパンが普通だが、
最近「焼きカレーパン」をあちこちで見かけるようになった。
揚げ油のずっしり感、もたれ感を解消してさっぱりと食べられるのがウリ
なのだが、なかなかいいものに当たらない。

ここハローズでも２種類売っていたので両方買ってみた。
今回は焼きカレーパンの方を紹介する。


結論からすると、やはりやられた。
「空間」を食べさせられることになった。
生地も具も味としてはそれほど悪くないのだが・・。
以前にも書いたが、パンの中に空間が身ごもっているのは悲劇的である。
しかしこれは焼きカレーパンの宿命かも知れない。


揚げる場合、最も外側がいきなり高温にさらされることになり、
まずそこですぐに固い外殻が出来上がる。
その後徐々に内部に熱が伝わって行く過程で生地が膨張するのだが、
外殻ががっちり固められているため、外には膨らむことができず、
その圧力は中心へと向かうこととなり、生地が核となる具に押し付けられ、
結局生地と具の間に隙間が生じることはない。

しかし焼く場合、オーブンの設定温度は揚げ油の温度と同じでも、
液体である揚げ油とオーブン内の気体では熱容量が違いすぎる。
90度のお湯に漬かったら全身大火傷で生命まで危うくなるが、
90度のサウナに入っても火傷することはない、という例と同じ。
オーブンの中では、外殻が固まらないうちに生地全体が膨張するので、その膨張圧は
いくらでも外側へ逃げて行くのだ。抵抗の大きい中心核へ生地が向かうことはなく
結果として内部に空間が形成される。

空間のない焼きカレーパンを食べたかったら、やはりナンのように平べったくするか、
サンド状にするしかない。いや、密閉容器に入れて焼けばいいのか。
でもそのようなカレーパンはいまだにお目にかかっていない。

ところでハローズは、店の看板にでかでかとHALOWSというローマ字が掲げられている。
Helloでも、Hallowでも、Haloでもない。
どういう意味なんだろう・・・。